愛知県一宮市瀬部諸谷にひっそりと佇む「有漏地(うろぢ)」は、風味豊かな手打ち蕎麦と厳選された地酒を堪能できる、知る人ぞ知る蕎麦処です。この店名は、一休禅師の言葉に由来し「煩悩」を意味するとされ、訪れる人々に奥深い食の体験を提供しています。市街地からは離れた、田園風景が広がる静かな場所に位置しており、店舗へのアクセスは、名鉄犬山線江南駅から車で約15分、JR尾張一宮駅からは車で約20分です。公共交通機関を利用する場合は、古知野線「島宮バス停」から徒歩約12分で到着します。東海北陸自動車道の一宮木曽川インターチェンジからも約3.9kmと、車でのアクセスも良好で、店舗前には8台分の広々とした駐車場が完備されています。通りからは少し奥まった場所にありますが、通り沿いに看板が設置されており、初めての訪問でも迷うことなくたどり着けるでしょう。
店内は落ち着いた空間が広がり、カウンター席とテーブル席合わせて18席(または20席)が用意されています。個室の設備はありませんが、ゆったりとした時間が流れる居心地の良い空間で、食事を心ゆくまで楽しむことができます。バリアフリーにも配慮されており、幅広い層の利用者が安心して過ごせる環境が整えられています。店内は全席禁煙となっており、純粋に蕎麦の香りや料理の風味を堪能したい方には最適な環境です。
「有漏地」の最大の魅力は、毎日手打ちされる香り高い十割蕎麦です。つなぎを一切使用せず蕎麦粉のみで打たれる蕎麦は、細切りでありながらもしっかりとした歯ごたえと滑らかな喉越しが特徴です。蕎麦つゆは、高級な本枯節と利尻昆布から丁寧に引かれた上品な出汁で作られており、蕎麦との相性は抜群です。口に含むと、出汁の奥深いうま味が広がり、蕎麦本来の風味を一層引き立てます。また、手打ちの讃岐うどんも提供されており、蕎麦と並ぶもう一つの看板メニューとして知られています。もちもちとした食感とコシが特徴で、ざるうどんや釜揚げうどん、さらに生醤油うどんなど、様々なスタイルで楽しめます。一部のメニューには、蕎麦とうどんの両方を味わえるセットも用意されており、食べ比べを楽しむことも可能です。
メニューは、ざる蕎麦が750円、おろし蕎麦が800円、とろろ蕎麦が850円、鴨汁蕎麦が950円、天ざる蕎麦が1350円、蕎麦通セットが1750円など、蕎麦の定番から創作蕎麦まで幅広く揃っています。うどんは生醤油うどん、釜揚げうどん、ざるうどんがいずれも650円、ぶっかけうどんが750円で提供されており、ランチの平均予算は1,000円から2,000円、ディナーは2,000円から4,999円が目安となります。
「有漏地」は蕎麦だけでなく、地酒とそれに合う肴の豊富さでも知られています。壁一面に手書きされた品書きには、豚の角煮、丸干しイカ、柚餅子、からすみといった珍味から、お酒が進む様々な一品料理が並びます。日本酒は「神亀」「黒龍」「八海山」「東一」など、全国各地から厳選された銘酒が常時10種類以上用意されており、焼酎やワインも取り揃えられています。蕎麦前を楽しむ文化を大切にしており、酒肴を目当てに訪れる客も多いと評判です。蕎麦の食べ方に関する「うんちく」もメニューに記載されており、蕎麦の奥深さを知るきっかけにもなります。
ランチタイムからディナータイムまで営業しており、昼は手軽に本格蕎麦を、夜は美味しい蕎麦と地酒、肴をゆっくりと味わうことができます。特に、小学生以上のお子様の同伴も可能で、家族での食事にも適しています。伝統的な蕎麦の技術と、地酒や旬の味覚を組み合わせた「有漏地」は、一宮市で特別な和食体験を求める方々におすすめの一軒です。