東京都渋谷区渋谷に位置する「そば処 粉練ク人」は、かつてその地で本格的な二八そばと揚げたての天ぷらを提供し、多くの人々に親しまれた蕎麦店です。兵庫県に本社を置く株式会社ISSEIが東京進出の第一号店として2022年5月に開業し、その店名は「粉を練る人と食のつながり」を意味する「CONNECT(コネクト)」というコンセプトに由来していました。日本のそば文化を世界に広めるという理念を掲げ、将来的なインバウンド需要も見据えて渋谷という活気ある街に出店しました。
清潔感を重視した店内は、白、グレー、ステンレスを基調に、木の温もりを感じさせるモダンな空間が広がっていました。料理がより一層引き立つよう、明るい照明が配され、壁面には書家による書が施され、店のコンセプトを視覚的に表現し、全体の雰囲気を引き締めていました。座席はカウンター席が18席設けられ、個室は用意されていませんでしたが、12名から18名までの貸し切り利用も可能で、着席でも立食でも対応していました。
「そば処 粉練ク人」では、北海道産の蕎麦粉「ほろみのり」を八割、北海道産小麦粉「きたほなみ」を二割使用した本格的な二八そばが提供されていました。噛むほどに蕎麦の深い味わいが感じられるよう、試行錯誤を重ねて作られた蕎麦は、日本海のカツオを中心に取った出汁の効いたつゆと共に供され、蕎麦本来の風味を堪能できました。また、注文を受けてから揚げるこだわりの天ぷらも人気で、サクサクとした食感が特徴でした。もりそばやかけそばはそれぞれ880円で提供され、ランチタイムには蕎麦の大盛りが無料で提供されるランチセットが1480円で利用できました。このセットには、かき揚げや半熟卵、海老二本、かぼちゃ、茄子といった揚げたての天ぷらが含まれ、訪れた人々は揚げたての天ぷらと打ち立ての蕎麦の組み合わせを楽しんでいました。ランチ時にはサービスとしておいなりさんが提供されることもあり、細やかな心遣いが感じられました。その他、蕎麦や天ぷら以外にも、神戸おでんや博多天ぷらといったサイドメニューも提供され、食の選択肢の幅を広げていました。
料金帯としては、ランチが2,000円以内、ディナーが5,000円以内と設定されており、クレジットカードやSuica、PiTaPa、ICOCA、nanaco、楽天Edy、WAON、QUICPayなどのICカード決済も利用可能でした。飲み物については、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー、カクテルなど幅広いラインナップが揃えられ、1時間半の飲み放題コースも1,000円台から提供されていました。野菜料理にこだわりを持ち、アレルギーを持つ利用者への対応も可能なため、安心して食事を楽しむことができました。テイクアウトやデリバリーにも対応し、店内でゆっくりと食事をする時間がない場合でも店の味を楽しむことができました。電源の利用も可能で、ビジネス利用やちょっとした休憩にも便利でした。乳幼児から小学生までのお子様連れでの入店も可能で、家族での利用にも配慮されたサービスが提供されていました。
「そば処 粉練ク人」は、JR渋谷駅から徒歩2分、約150メートルの距離に位置し、渋谷駅C1出口からも徒歩2分と、駅からのアクセスが非常に良好でした。渋谷警察署の裏手にあり、比較的落ち着いた隠れ家のような雰囲気も持ち合わせていました。また、企業の福利厚生サービスとして「どこでも社食」と提携し、従業員の食事補助にも対応していました。
しかしながら、この「そば処 粉練ク人」は、2024年2月に事業形態を変更し、「ラムそば ラム串 一誠」としてリニューアルオープンしました。現在はラム骨と鶏ガラをベースにしたWスープのラーメンを提供する専門店として運営されています。これにより、「そば処 粉練ク人」としての蕎麦提供は終了し、その歴史に幕を閉じ、新たな食の提供へとその姿を変えています。