大阪市西区京町堀に佇む「京町堀 武蔵」は、かつて江戸堀で親しまれた「武蔵野」が、2015年にこの地へ移転し、新たなスタイルで営業している蕎麦と酒肴のお店です。昼間は「江戸堀 武蔵野」として地域に根差した麺類店として営業していますが、週に数日間の夜には「京町堀 武蔵」と屋号を改め、昼とは一線を画す上質なそばとこだわりの酒肴を提供する場所へと姿を変えます。このユニークな営業スタイルは、多様なニーズに応えながらも、それぞれの時間帯で最良のものを追求する店主の姿勢を表しています。
最寄り駅からは複数のアクセス方法があり、大阪メトロ四つ橋線の肥後橋駅からは徒歩約7分から8分程度、大阪メトロ中央線の阿波座駅や御堂筋線の本町駅からも徒歩9分程度でアクセス可能です。また、京阪中之島線の中之島駅からも徒歩9分程度と、ビジネス街や文化施設からもほど近く、様々な方面から訪れやすい立地にあります。白壁の外観がオフィス街の中でも目を引き、店内に足を踏み入れると、洗練された空間が広がります。店内には、個室としても利用できる部屋、カウンター席、テーブル席が設けられており、様々なシーンに対応できる柔軟性を持っています。特に個室には、一枚板の大きなテーブルが配されており、落ち着いた雰囲気の中で食事や会話を楽しむことができます。また、店内には書や花器といった美術品が飾られており、こだわりの空間演出が訪れる人の目を楽しませています。
夜の「京町堀 武蔵」では、ワンランク上の蕎麦を堪能できます。手打ちの二種類(丸抜きと玄挽き)のそばをはじめ、数種類の蕎麦が用意されており、それぞれの蕎麦が持つ風味や食感の違いを楽しむことができます。蕎麦だけでなく、酒肴のラインナップも充実しており、定番の一品料理に加え、店主がその時々に厳選して仕入れた旬の食材を使った創意工夫あふれる料理が提供されます。これらの酒肴の多くは、食材の産地が明確に示されており、素材へのこだわりが伺えます。例えば、「蕎麦屋の焼き鳥」は特製のかえしを使った逸品として知られています。充実したお酒の品揃えも魅力の一つで、蕎麦や酒肴との相性を考えながら選ばれた日本酒や焼酎などが揃っています。料理は一人で調理されているため、提供まで時間がかかる場合もあるようですが、お客様はその店主の想いを理解し、作りたての料理を楽しみに待つと言われています。
昼間の「江戸堀 武蔵野」としては、近隣で働く人々を中心に、手頃な価格で麺類や丼物が提供されています。定番メニューに加え、季節や仕入れによって変わるオリジナルメニューも登場し、訪れるたびに新たな味に出会える楽しみがあります。先代から受け継がれる少し濃いめの味付けは、この店の歴史と伝統を感じさせます。昼はうどんよりも蕎麦が中心の営業スタイルも特徴です。
夜の「京町堀 武蔵」としての予算は、およそ8,000円程度を目安に、こだわりの蕎麦と酒肴、厳選されたお酒をゆっくりと味わうことができます。昼夜で異なる顔を持つこのお店は、それぞれの時間帯で異なる魅力を放ち、訪れる人々に上質な食体験を提供しています。店主の妥協なきこだわりと、それを受け入れるお客様との信頼関係によって成り立っている、京町堀の隠れた名店と言えるでしょう。