宮古島の自然豊かな風景に溶け込むように佇む「島とうふ 春おばぁ食堂(んきゃどり家)」は、地元で長年愛されてきた島豆腐の伝統の味を受け継ぎながら、訪れる人々に心温まる宮古料理を提供する人気の飲食店です。宮古空港から東平安名崎方面へ向かう幹線道路沿いに位置し、周囲に建物が少ない中で、特徴的な赤瓦の屋根を持つ古民家風の建物は遠くからでも目を引く存在となっています。広々とした駐車場も完備されており、車でのアクセスが非常に便利で、約5分から10分程度で到着できます。また、公共交通機関を利用する際は、「中野原越」バス停から徒歩約8分でアクセス可能です。
この食堂の最大の特徴は、沖縄の伝統的な製法で丁寧に作られる島豆腐を主役とした料理の数々です。店主の母親である「春おばぁ」が60年以上前から手掛けてきた自家製豆腐の技術が、現在では「孫豆腐」として、全国豆腐品評会で日本一に輝くほどの品質で提供されています。この独自の豆腐は、にがりを使わない製法が特徴で、ふわふわとした口当たりながらも、しっかりとした粘りとコシがあり、大豆本来の豊かな旨味が凝縮されています。2011年に「島とうふ 春おばぁ食堂」として創業し、2022年11月30日にリニューアルオープンして以来、昼は定食を楽しめる食堂、夜は沖縄の味覚を満喫できる居酒屋として、幅広いシーンで利用されています。
店内は木の温もりに満ちた落ち着いた空間が広がり、四方の窓からは自然光がたっぷりと差し込み、どの時間帯に訪れても明るく開放的な雰囲気に包まれます。座席はすべて琉球畳の座敷席となっており、ゆったりとくつろぎながら食事を楽しめるのが魅力です。小さな2人用のテーブル席や、プライベートな空間で過ごしたい方に嬉しい個室もいくつか完備されています。土足厳禁のため、入り口で靴を脱いで上がるスタイルですが、店内は清潔感があり、まるで実家に帰ってきたかのような温かいおもてなしを感じられます。地元の方々はもちろん、観光客も多く訪れ、その懐かしく優しい味わいを求めて連日賑わいを見せています。
「島とうふ 春おばぁ食堂」では、ランチタイムとディナータイムで異なるメニューを提供しており、それぞれに魅力的な品々が揃っています。ランチタイムでは、看板メニューである「ゆし豆腐そば」が特に人気です。カツオと豚をベースにしたあっさりとしたスープに、ふわふわでコシのある自慢のゆし豆腐がたっぷりと乗せられ、食べ応えのある肉厚の三枚肉が絶妙なバランスを生み出しています。一般的な宮古そばのあっさりとした風味とゆし豆腐の相性は抜群で、宮古島では珍しい豚出汁を選ぶことも可能です。他にも、シンプルながら深い味わいの「宮古そば」や、骨付き肉が柔らかく煮込まれた「ソーキそば」も楽しめます。ヘルシー志向の方には、磯の香りが爽やかな「アーサゆし豆腐」もおすすめです。ご飯ものとしては、ゆし豆腐との相性が良い「生ゆし豆腐」や、炊き込みご飯の「ジューシー」があり、「春おばぁ定食」では、ゆし豆腐と宮古そば、ジューシーが一度に味わえるお得なセットとして提供されています。ランチはスープがなくなり次第終了となるため、早めの来店が推奨されます。
ディナータイムでは、宮古島の定番料理を中心とした居酒屋メニューが豊富に用意されています。新鮮な魚介を使った「海鮮サラダ」や、プチプチとした食感が楽しい「海ぶどう」、そして沖縄の家庭料理として親しまれる「ポーク玉子」など、地元の食材を活かした逸品を堪能できます。食事の締めには、全国豆腐品評会で日本一に輝いた「まごとうふ」を使用したデザートもおすすめです。上品な口当たりと甘さ控えめな味わいが特徴の「豆乳プリン」は、食事の余韻を優しく締めくくります。また、様々な沖縄料理を一度に楽しめるコース料理も用意されており、「春おばぁコース」は全7品で3,300円から、あぐー豚を存分に味わえる「あぐー豚満喫コース」は全8品で5,500円と、予算や好みに合わせて選べるのが嬉しい点です。
「島とうふ 春おばぁ食堂」は、宮古島の伝統と温かさが息づく場所で、素材の味を大切にした手作りの料理を味わえる、まさに「宮古島の台所」と呼ぶにふさわしいお店です。水着での入店はご遠慮いただくなど、店内での快適な環境維持にも配慮がなされています。ネット予約にも対応しており、旅の計画に合わせて気軽に利用できる点も、観光客にとって大きな魅力となるでしょう。