熊本県阿蘇郡高森町草部に佇む「肥後楽 たてや」は、地元の豊かな恵みをふんだんに活かした旬の料理を「採れたて・できたて・炊きたて」という三つの「たて」にこだわって提供する食事処です。南阿蘇鉄道高森駅から車で約20分、国道265号の峠を越え、国道325号に入ってさらに約10分の奥阿蘇の山合いに位置しており、約10台分の駐車場も完備されているため、自家用車でのアクセスが便利です。自然豊かな草部の風景に溶け込む古民家風の建物は、訪れる人々に懐かしさと安らぎを感じさせます。
店主自らが農家や漁師のもとへ足を運び、目利きを活かして仕入れる新鮮な食材は、「肥後楽 たてや」の料理の根幹を成しています。地元草部で育ったお米は、時期に合わせて最適なものが選ばれ、一番美味しい状態で届けられます。これらの厳選された素材を丁寧に仕込み、最高の状態で提供することを目指しています。店内は、無垢材を多用した温もりある空間が広がっており、テーブル席や小上がり席が配されています。広々とした設計のため、お一人様からご家族、友人との利用まで、様々なシーンでゆったりと食事を楽しむことができます。総席数は32席で、個室や掘りごたつ、ソファ席などの設備はありません。店内は全席禁煙となっており、お子様連れの利用はできないため、静かな環境で食事を堪能したい大人の方に適した空間と言えるでしょう。
「肥後楽 たてや」の昼の部は予約制となっており、来店希望日の2日前までの事前予約が必要です。名物の一つである「山の玉手箱 たてや箱膳」は2,400円で提供されており、採れたての山の幸を重箱に詰め込んだ逸品です。揚げ物や焼き物、旬の食材を使った5種の豆皿、馬肉みそ、茶碗蒸し、そして一人前ずつ羽釜で炊き上げるツヤツヤのご飯、汁物、お漬物、旬のデザート(コーヒー付き)が含まれています。また、「串カツ膳」は2,150円で、旬の食材を揚げたてで提供し、40年ほど前に愛された秘伝の自家製ソースで味わうことができます。ご飯はどちらの膳も炊きたての羽釜ご飯が提供され、予約時間に合わせて炊き始めるため、できたての美味しさを味わうことができます。
夜の部では、店主が直接農家へ足を運び、納得のいくものだけを目利きして仕入れる自慢の馬刺しが堪能できます。特に「大トロ霜降り馬刺し」は、一頭から数キロしか取れない希少部位で、時価(目安として2,200円から2,800円程度)で提供されます。他にもコウネ刺し(750円)、ハツ刺し(800円)、フタエゴ刺し(950円)、上馬刺し(赤身)(1,000円)、レバー刺し(1,600円)など様々な部位が用意されており、馬刺し盛り合わせ(2~3人前3,300円)も楽しめます。予約をすればタン刺しや特上赤身刺し、ヒモ刺し、中トロ霜降り馬刺しなども対応可能です。馬刺し以外にも、馬あんかけ茶碗蒸し(300円)や馬ヒレ串カツ(2本600円)、馬スジ煮込み(650円)といった馬肉料理も充実しています。新鮮な魚介類も魅力で、お刺身の盛り合わせは予約制で、1~2人前が1,800円から、3~4人前が3,800円から提供されます。カンパチあら炊き(650円)やエイヒレ炙り(650円)、ホッケ(700円)などの一品料理も豊富です。また、旬の食材を使った揚げたての串カツは単品でも注文でき、山芋やカボチャ、茄子、蓮根、椎茸が各100円、燻製ベーコンや鶏ささみ大葉、豚、うずら、アジ大葉、イカ、エビが各150円で、おまかせ串10種盛りは950円です。ご飯ものには、羽釜で炊き上げた白ご飯(200円)のほか、おにぎり各種(250円~350円)、出汁茶漬け(500円)、高菜チャーハン(650円)などが揃います。平均予算はディナーで3,001円以上とされています。夜の部は当日予約も電話で受け付けています。
定休日は毎週水曜日と第2・第4火曜日で、仕入れ状況によっては臨時休業となる場合もあります。支払い方法は現金のみです。お店の周辺には「日本三大下り宮」として知られる神秘的な草部吉見神社があり、食事の前後に立ち寄る観光客も多いです。