熊本市中央区城東町に佇む「chinese cafe Anding 安定小館 アンディン」は、中国茶と中国家庭料理を心ゆくまで堪能できる隠れ家のようなカフェです。熊本市電「通町筋駅」から徒歩およそ4~5分の好立地にあり、上通アーケードからオークス通り方面へ進んだビルの2階に位置しています。2000年に開業して以来、地域の人々に親しまれてきましたが、2016年の熊本地震を経て現在の城東町へ移転オープンし、現在もその魅力を発信し続けています。
このお店の最大の魅力は、国際薬膳調理師である店主が手掛ける、心と体に寄り添う本格的な薬膳料理と多彩な中国茶にあります。日々の喧騒を忘れさせてくれるような落ち着いた空間で、健康を意識した美味しい食事が楽しめます。店内には可愛らしい猫のモチーフが随所に散りばめられ、中国茶器や書籍が並び、訪れる人々を温かく迎え入れます。特に女性客から高い支持を得ており、ゆったりとした時間を過ごせる癒しの場所として知られています。
「安定小館 アンディン」のメニューは、薬膳の知恵が詰まった料理の数々が並びます。ランチタイムにはお得なセットメニューが用意され、すべてのセットに好みの中国茶が付いてくるのが特徴です。看板メニューの一つである「参鶏湯(サムゲタン)」は、もち米を控えめに仕上げたヘルシーな一品で、薄味に調理されているため、添えられた塩や花山椒で好みに合わせて味を調整しながら楽しめます。また、九州では珍しい本格的なマレーシア式の「肉骨茶(バクテー)」も人気を集めています。クローブ、ハッカク、ウイキョウ、黒胡椒、甘草、ナツメ、クコの実といった多様な薬膳食材と、コラーゲン豊富な皮付き豚バラ肉やスペアリブが使用されており、滋養強壮や代謝促進にも良いとされています。この他にも、深みのある味わいの「豚バラのプーアール茶煮丼」や、台湾の味を忠実に再現した「魯肉飯(ルーローファン)」、大豆ミートやタケノコ、豆類を使用した優しい風味の「薬膳キーマカレー」、そして「茶泡飯(チャーパオハン)」といったユニークなメニューも提供されています。ベジタリアンの方には、信仰食対応のピクトグラム付きメニューや「素食(スーシー)コース」が用意されており、多様な食のニーズに応えています。
食事に彩りを添える中国茶は、薬膳茶はもちろんのこと、緑茶、烏龍茶、紅茶など豊富な種類が揃い、選ぶ楽しみがあります。丁寧な「工夫式」で提供されるため、一杯ずつゆっくりと、お茶本来の香りと味わいを堪能できます。家庭でも楽しめる薬膳茶のティーパックも販売されており、自宅でのリラックスタイムにも最適です。さらに、オープン当初から人気のタピオカドリンクも楽しめ、夜の時間帯には薬膳火鍋のコースも提供されています。
料金は、ランチが700円台から1000円台が中心で、ディナーは2000円台から3000円台が目安とされており、本格的な薬膳料理を手軽に味わうことができます。
店内は全18席で、カウンター席が5席、テーブル席が13席設けられており、個室の用意はありませんが、落ち着いた雰囲気の中で食事が楽しめます。また、ドッグカフェではありませんが、ペット同伴が可能な場合もあり、愛犬と一緒に食事を楽しみたい方にとっては嬉しい選択肢となるでしょう。
「安定小館 アンディン」では、店内に併設された「小確幸,店」にて、厳選された茶葉や可愛らしい雑貨の販売、書籍の貸し出しなども行われています。また、2015年からは薬膳教室も開催されており、薬膳の知識を深めたい方や、日々の生活に健康を取り入れたい方にも最適な場所です。さらに、魯肉飯や豚バラのプーアール茶煮丼など、人気メニューのテイクアウトも可能で、自宅でも本格的な薬膳料理を味わえます。訪れる人々の心と体の健康を深く考えた、きめ細やかなサービスとこだわりが詰まったお店です。