福岡県北九州市小倉北区紺屋町に位置していた「焼肉カルビ堂 龍」は、長年にわたり地域に親しまれましたが、2023年10月31日をもって閉店いたしました。かつては、モノレール旦過駅から徒歩約4分、平和通駅からも徒歩約4分、JR小倉駅からは徒歩約10分と、主要駅からのアクセスが良好な立地にあった焼肉店です。
「焼肉の龍園」の系列店として、一人でも気軽に焼肉を楽しめる「ひとり焼肉」をコンセプトに掲げ、幅広い客層に利用されていました。店内は、お一人様での利用を考慮し、カウンター席が中心に配置されており、各席には専用の焼台が備え付けられていました。特に目を引いたのは、カウンター席間に設置された牛の形をした可愛らしい稼働式のパーテーションで、これは女性客からも好評でした。このパーテーションは取り外しが可能であったため、二人連れでも隣り合わせで利用することができました。さらに、店内奥にはテーブル席も用意されており、数名での食事やグループでの利用にも対応していました。店内の換気システムは優れており、約3分で空気が完全に循環するという体制が整えられていたため、煙を気にせず快適に焼肉を堪能できる環境が提供されていました。
提供されるメニューは、多種類の肉を少量ずつ楽しめるように工夫されており、多くの肉は2切れずつ提供されるスタイルが特徴でした。これにより、様々な部位を少しずつ味わいたいというニーズに応えていました。中でも「カルビ堂名物!ヤキレバ」は、他の肉よりも多めの4切れで提供されていました。夕方からの営業で、ランチタイムの提供はありませんでしたが、夜の時間帯には、九州産黒毛和牛のカルビを使用した「カルビ定食」など、手頃な価格で楽しめる焼肉定食が複数種類用意されていました。これらの定食は好みの部位やボリュームに合わせて選択でき、特に「カルビ堂焼肉定食(5種)」は高い人気を誇りました。過去の利用状況から、ディナーの予算は2,000円から2,999円程度、夜の時間帯でも気軽に焼肉を楽しめる価格帯でした。
設備面では、全席禁煙でしたが、店内に喫煙スペースが設けられていたため、喫煙者も非喫煙者も快適に過ごせる配慮がなされていました。また、無料Wi-Fiや各席での電源利用も可能で、現代の利用者の利便性を高めていました。支払い方法にはPayPayも導入されており、キャッシュレス決済に対応していました。お客様への細やかなサービスも特徴で、使い捨てエプロンの提供や、焼肉の箸休めにぴったりの山盛りもやしナムルのサービスなどがありました。時期によっては、午後7時までの来店でハイボールが1杯110円で提供されるといった、お得なキャンペーンが実施されることもありました。テイクアウトにも対応し、お客様の様々な利用シーンをサポートしていました。
北九州市小倉北区の食文化の一端を担い、ユニークな「ひとり焼肉」のコンセプトと質の高い肉、そして行き届いたサービスで多くのファンを魅了した「焼肉カルビ堂 龍」は、その役割を終え、現在は営業を終了しています。