かつて福岡県大野城市錦町に位置していた「カレー料理専門店 アバシ春日原本店」は、西鉄春日原駅から徒歩約3~4分という利便性の高い場所にあり、イオン大野城店に隣接していたことで、その広大な駐車場を利用できる点も利用者から高く評価されていました。しかし、多くの人々に親しまれてきたこの店舗は、2024年2月29日をもって閉店いたしました。
「アバシ」ブランドの1号店、すなわち本店として知られていたこの店舗は、本格的なインド・ネパールカレーを気軽に楽しめる専門店として、福岡のカレー文化に貢献してきました。異国情緒あふれるアジアンテイストにこだわった店内は、シックでありながらカジュアルな空間が広がり、訪れる人々に非日常的な食事体験を提供していました。ガラス張りで外から調理風景が見えるユニークな外観も特徴の一つで、特に釜でナンを焼き上げる様子は印象的でした。
メニューは、本場インドで修行を積んだシェフが手掛けるカレーやタンドール料理が中心で、特に「ナン食べ放題」は多くのカレー愛好家にとって大きな魅力でした。定番のプレーンナンに加え、とろけるチーズがたっぷりのチーズナンは絶大な人気を誇り、そのボリューム感と美味しさは口コミでも度々話題に上がっていました。カレーは多種多様な選択肢があり、好みに合わせて辛さを100倍まで選べるというユニークなサービスも提供されていました。ランチタイムには日替わりカレー2種とナン、サラダ、ドリンクがセットになったお得なメニューがあり、平日限定の「焼き立てプレーンナンのランチ」や「チーズたっぷりとろけるチーズナンランチ」などが人気を集め、おおむね890円から1,490円程度の価格帯で提供されていました。また、春日原本店でしか味わえない限定カレーも存在し、訪れる人々を楽しませていました。
座席は全55席を有し、テーブル席がメインのゆったりとした空間が確保されていました。個室の設置はありませんでしたが、20人から50人までの貸切利用が可能であり、各種パーティーなどにも対応していました。店舗全体が全席禁煙で、入り口付近に喫煙スペースが設けられていたため、快適な食事環境が提供されていました。車椅子での入店も可能で、多様なニーズに応える配慮が見られました。
特別なサービスとして、子供連れの家族への配慮が行き届いていた点も特筆すべきです。子供用のメニューが用意されていたほか、キッズチェアの貸し出しも行われていました。小さなお子様連れの場合でも、ベビーカーをテーブル横に横付けして食事を楽しめるなど、家族での利用に優しい環境が整っていました。女子トイレにはおむつ交換台も設置されており、親御さんが安心して食事できるような細やかなサービスが提供されていました。長年にわたり地域に愛され、多くの人々の思い出に残るカレー店として営業していましたが、その歴史に幕を閉じました。