福岡県うきは市の山あいにひっそりと佇む「里楽」は、築百七十年とも言われる茅葺き屋根の古民家を素敵にリノベーションした、心落ち着く囲炉裏カフェです。日本の原風景が広がる新川田篭地区の里山に位置し、近くには日本の棚田百選に選ばれた「つづら棚田」や重要文化財「平川家住宅」などの歴史的な景観が調和しています。都心からの喧騒を離れ、自然豊かな場所でゆったりと時を過ごしたい方に最適な、まさに隠れ家のような存在です。
JR久大本線のうきは駅から車で約13分、筑後大石駅からは車で約16分、また大分自動車道の杷木インターチェンジからは車で約20分と、車でのアクセスが便利です。店舗敷地内には専用駐車場が5台分用意されており、道の途中にある案内に従って進むと、川沿いに駐車場が見つかります。自然に囲まれた立地ながらも、道中は比較的わかりやすいでしょう。
「里楽」の大きな特徴は、全ての席に配された囲炉裏です。炭火がパチパチと音を立てる中で、目の前でゆっくりと焼き上げる料理を堪能できます。提供されるのは、オーナー夫妻が自ら育てた野菜や地元の新鮮な山の幸、そして豊かな水源で育まれた棚田米など、里山の恵みをふんだんに使った心温まる郷土料理です。素朴でありながらも素材の味を最大限に引き出した丁寧な味わいは、訪れる人々の心を癒しています。
メニューの中心となるのは「里楽コース」と「姫治コース」です。「里楽コース」は、香ばしい柚子味噌田楽(厚揚げと蒟蒻)、旬の野菜を使った二品、とろりとした卵黄を絡めていただくつくね、そして自慢の棚田米のごはんと、季節ごとに変わる具だくさんの汁物がセットになった人気の一品です。特に郷土料理である「だご汁」は、体が芯から温まる優しい味わいで、多くの利用客から好評を得ています。かつては猪肉が入った猪汁として提供されることもありました。料金については、原材料費などの高騰により、2024年3月1日より改定されており、「里楽コース」は1,480円、「姫治コース」は2,750円となっています。食事以外にも、季節のフルーツをふんだんに使ったパフェや、オーガニック抹茶と手作りのフルーツ羊羹といった和のデザートも楽しめます。店内では自家製のジャムなども購入可能です。
店内は全席禁煙で、総席数は20席です。個室は設けられていませんが、古民家ならではの落ち着いた空間で、ゆったりと食事をすることができます。貸切での利用も相談可能です。
「里楽」では、囲炉裏での食事体験に加え、夏季から秋季にかけては敷地内でブルーベリー狩りやジャム作り体験といった特別なアクティビティも提供しています。これらの体験は事前予約が必要で、直接店舗への問い合わせが推奨されています。土日祝日は特に混み合う傾向があるため、ランチタイムの利用も含め、事前の予約がおすすめです。
なお、現在「里楽」は、茅葺き屋根の修復工事のため、2025年7月1日から9月1日までの期間、休業しております。ご来店の際は、事前に店舗の公式情報をご確認ください。