福岡県朝倉市頓田の閑静な住宅街に佇むビルの2階に位置する「タリル珈琲」は、2021年3月にオープンした隠れ家のようなカフェです。西鉄甘木線甘木(西鉄線)駅から徒歩約24分から25分ほどの距離にあり、10台分の駐車場も完備しているため、車でのアクセスも便利です。店主はかつて福岡市でtownsquare coffee roastersに携わり、コーヒーの道を歩んできた稲永氏。その経験を活かし、生豆が持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出す自家焙煎のコーヒーを提供しています。
「思いが事足りて心が満ち足りる」という願いを込めて名付けられた「タリル珈琲」は、「あるもので満ち足りている、見栄なんかいらない」という哲学が空間全体に息づいています。訪れる客が2時間から3時間ものんびりと過ごす光景は、店主にとって何よりの喜びであり、日常を忘れさせてくれるような、心安らぐ時間を提供したいという想いが込められています。提供されるコーヒーは、どこで、誰が、どのように作ったのか、どんな品種なのかといった、完全なトレーサビリティが特徴です。単に味わうだけでなく、一杯のコーヒーに込められた物語や、生産者の想いを伝えることを大切にしています。
コーヒー豆だけでなく、使用する器にもこだわりが見られます。一般的な窯元の作品ではなく、作家一人ひとりと直接つながることで選び抜かれたうつわが用いられており、器を通して作家の雰囲気までをも感じられるような、温かみのある空間が演出されています。店内は、夫婦が好きなものを集めて作り上げたおしゃれな雰囲気で、女性を中心に多くの人々がその魅力に惹きつけられています。
メニューには、深煎りのタリルブレンドをはじめ、生豆の特性を活かしたブレンドを含む4種類のコーヒーがラインナップされています。食事としては、地元の新鮮な食材をふんだんに使ったサラダランチ(1600円)が人気です。ランチには、うきは市にある「毎日のパンと喫茶チゾン」のパンを使用したクロックムッシュやホットドッグを選ぶことができます。特にホットドッグプレート(1,000円)はサラダと自家製ピクルスが付いており、プラス400円で本日のコーヒーを付けることも可能です。スイーツでは、福岡の「山の農園」の生姜と自家製生姜シロップを練り込んだ、驚くほど生姜が効いたジンジャーケーキ(600円)や、素材への愛情が感じられるプティスコーン(650円)などが楽しめます。これらのスイーツは、朝倉市三奈木地区で江戸時代から続く黒砂糖や、田主丸町の減農薬栽培いちごなど、地元朝倉市や近郊で採れた安心安全な食材を使用するというこだわりが貫かれています。
「タリル珈琲」では、店内でゆっくりと時間を過ごすだけでなく、焙煎豆の購入も可能です。100g 800円から、200g 1500円から販売されており、自宅でもタリル珈琲の味わいを楽しむことができます。また、ウェブショップ限定でタリル珈琲3種セット(3,300円)や、COLD BREW BAG水出しコーヒー(40g×4packs、2,200円)なども提供されています。その他、店内で焼き菓子や地元の特産品、クラフトビールなども販売されており、カフェとしての利用に加えて、様々な楽しみ方ができる場所です。営業時間は月・火・木・金・日・祝前日・祝日が11:00から17:00まで、土曜日が12:00から17:00まで(いずれもラストオーダーは16:00または16:30)となっており、水曜日が定休日ですが、不定休もあります。地域の魅力を発信し、訪れる人々に豊かな時間を提供し続ける「タリル珈琲」は、朝倉市で特別な一杯と心温まるひとときを求める人々にとって、かけがえのない存在となっています。