福岡市早良区高取に位置していた「初心茶室 藤崎店」は、かつて本場台湾の豊かな食文化を伝えるべく、その魅力を発信していた台湾スイーツと点心の専門店でした。福岡市営地下鉄空港線藤崎駅から徒歩およそ3分から5分というアクセスしやすい立地にあり、近隣住民はもちろん、遠方からも多くの人が訪れていました。
この店舗は、台湾ご出身のオーナーが「台湾の食文化を通じて人々に口福(幸福)を届けたい」という深い思いを込めて、2020年1月に創業しました。店名に冠された「初心茶室」は、「初心忘るべからず」という経営理念から名付けられたもので、常に原点を忘れずに、本格的な台湾の味を提供し続けるという決意が込められていました。当初は本場台湾の味を再現した生タピオカ専門店として始まりましたが、その後、台湾スイーツの代表格である豆花(トウファ)や点心、さらには台湾グルメも提供するようになり、幅広いメニューで訪れる人々を魅了しました。
提供されていたメニューの中でも、特に注目されたのは、ヘルシーで栄養価が高いとされる豆花でした。有機豆乳から作られるこの豆腐花は、大豆イソフラボンや各種ビタミンを豊富に含み、コレステロール値がゼロであることから、美肌や美髪、さらには栄養バランスを整える効果が期待できるとされ、美容と健康に関心の高い人々から特に人気を集めていました。タピオカ、小豆、緑豆、仙草、レモン愛玉など、彩り豊かなトッピングが選べたことも魅力の一つで、抹茶豆花なども提供されていました。また、もちもちとした食感が特徴の生タピオカドリンクは種類が豊富で、甘さの調整も可能であったため、好みに合わせて楽しむことができました。定番のミルクティーに加え、当時話題のチーズティー、蘭のような華やかな香りの四季春茶、香ばしい焙煎烏龍茶、そしてほんのりコーヒーの風味が特徴の昔ながらの紅茶など、厳選された台湾茶葉を使用した多様なドリンクが用意されていました。軽食としては、魯肉飯(ルーロウハン)や台湾おこわ、胡椒餅(こしょうもち)といった台湾屋台料理も提供されており、本格的な台湾の味を堪能できると評判でした。
店内は、白を基調としたシンプルながらも「オシャレで落ち着いた空間」が広がり、ゆったりと過ごすことができました。カウンター席も用意されており、一人でも気軽に立ち寄れる雰囲気でした。一部の席には電源が備え付けられていたこともあり、利便性も考慮されていました。座席数は室内とテラス席を合わせて約10席が設けられていましたが、個室の用意はありませんでした。
サービス面では、PayPayなどのQRコード決済に対応していたため、キャッシュレスでの支払いが可能でした。また、テイクアウトやデリバリーサービスも積極的に行っており、自社デリバリーのほか、出前館やUber Eatsといったプラットフォームを通じて、初心茶室のドリンクやスイーツ、グルメを自宅やオフィスで楽しむことができました。豆花など一部のメニューは一日限定の提供であったため、事前予約が可能なサービスも用意されており、確実に味わいたい人にとっては便利なシステムでした。さらに、藤崎サニーの駐車場が利用可能であったという情報もあり、車での来店者にも配慮が見られました。
「初心茶室 藤崎店」は、2020年の開業以来、多くの人々に本格的な台湾の味と文化を提供してきましたが、残念ながら現在は閉店しております。