福岡県うきは市浮羽町新川の山奥深く、合所ダムをさらに進んだ先に佇む「ギャラリー安政」は、歴史とアートが息づく特別な空間として多くの人々に親しまれてきました。安政3年に建てられた格式ある「野上邸」の母屋をカフェ・レストランとして活用し、隣接する明治時代築の蔵はギャラリースペースとして、様々な作家の個展を定期的に開催しています。せせらぎの音を耳にしながら、非日常的な古民家の雰囲気の中でゆったりとした時間を過ごせるのがこの場所の大きな魅力です。
この隠れ家のような場所へのアクセスは、JRの駅から直接徒歩で向かうのは難しいですが、県道106号線を大分方面へ南下し、「合所ダム」や「浮羽カントリークラブ」を通り過ぎ、「西鉄分田バス停」からすぐの場所に位置しています。自家用車での訪問には便利な駐車場が完備されており、うきはの自然を満喫しながら辿り着くことができます。
「ギャラリー安政」では、カフェメニューとして自家製コーヒーや手作りのスイーツが提供され、軽食やデザートを楽しむことができます。食事としては、地元の旬の素材をふんだんに使用した本格的なフレンチコース料理を堪能できます。コース料理は税抜3,000円から用意されており、お肉またはお魚料理が追加される税抜3,800円のコースもあります。これらのコースは準備の都合上、前日午前中までの事前予約が必要とされています。店内の座席については、古民家の趣を活かした風格あるお座敷で食事ができるため、落ち着いた雰囲気の中で食事を味わうことが可能です。
運営は、土曜日、日曜日、月曜日、そして祝日のみとなっており、平日には営業していないため訪れる際には注意が必要です。この限られた営業日もまた、訪れる人々にとって特別な体験を提供する一因となっています。
残念ながら、この魅力的な「ギャラリー安政」は、2025年1月末をもってギャラリー、カフェともにその歴史に幕を下ろすことが決定しています。長きにわたり多くの方々に愛されてきたこの場所は、閉館を前に、2025年4月19日(土)と20日(日)にお別れの会を予定しており、この会では珈琲とケーキが無料で提供され、19日には秋田祐一郎氏によるピアノ演奏も予定されています。地域の歴史と文化、そしてアートを繋いできた「ギャラリー安政」は、その最後の瞬間まで、訪れる人々に温かい記憶と体験を提供し続けるでしょう。