福岡県の奥八女、美しい山々と清流に抱かれた星野村に佇む「喫茶 花里菜」は、築100年を超える古民家を改装した趣深いカフェです。都会の喧騒から離れ、訪れる人々に「星野に里帰りしたような気持ちで、ゆったりと過ごしてほしい」という店主の想いが込められた空間が広がっています。靴を脱いで一歩足を踏み入れると、木の温もりとどこか懐かしい雰囲気に包まれ、時間の流れが緩やかに感じられます。店内には星野民芸の家具が配され、ドライフラワーが飾られたテーブルなど、細部にまでこだわりが感じられる設えが、心地よい時間を演出します。
この店の自慢は、ランチタイムに提供される予約制のキーマカレーのコースです。看板メニューである「此処n(ここん)カレー」と名付けられたキーマカレーは、フランス語で「心地よい空間」を意味する「COCON」に由来します。水を一切使わずに野菜の水分だけで調理された和風ドライキーマカレーは、スパイスが効いていながらも辛すぎず、野菜の旨味と食感がぎゅっと詰まった奥深い味わいです。コースには、この特製カレーに加えて、たっぷりの新鮮なサラダ、スープ、漬物がセットになっています。食後には、手作りのシフォンケーキやプリンといった優しい甘さのデザートと、香り高いコーヒーが提供され、心もお腹も満たされる充実した内容です。このコースには、花里菜ならではの空間と時間、そして窓から望む景色も含まれているという店主の考えが反映されています。
「喫茶 花里菜」の魅力は、食事だけに留まりません。店舗は雄大な自然に囲まれており、川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえる最高のロケーションを誇ります。食後には、縁側でのんびりと過ごすことができ、穏やかな日差しの中で昼寝をするなど、思い思いのくつろぎ方でリフレッシュすることが可能です。
総席数は12席で、こぢんまりとしたプライベートな雰囲気を保っています。駐車場は2台分用意されており、車でのアクセスが便利です。八女インターチェンジからは車で約40分ほどの距離に位置します。公共交通機関を利用する場合は、JR羽犬塚駅からバスを乗り継ぎ、約90分かかります。営業時間は11時から17時までですが、不定休であり、食事は完全予約制となっているため、訪れる際には事前の電話確認が必須です。日常を忘れさせ、心からの癒やしを与えてくれる隠れ家のような一軒です。