福岡市中央区渡辺通の路地裏に静かに店を構える「むら川」は、九州の旬の食材とそれに合う日本酒を心ゆくまで堪能できる本格的な割烹料理店です。福岡市地下鉄七隈線の天神南駅から徒歩約5分、渡辺通駅からも徒歩約5分というアクセスしやすい立地にありながら、都会の喧騒を忘れさせる落ち着いた大人の隠れ家として食通たちから支持を集めています。
店主の村川厚二氏は、和食の料理人であった父の背中を見て育ち、小学生の頃には料理人になることを志しました。中村調理製菓専門学校を卒業後、東京の名店「菊乃井」や神戸の「玄斎」といった名だたる料亭で厳しい修業を積み、2016年6月に故郷である福岡で独立を果たしました。その確かな技術と経験に裏打ちされた料理は、伝統的な京料理を基礎としながらも、九州の豊かな食材の魅力を最大限に引き出す独創性に溢れています。
この店のコンセプトは「日本酒と季節の料理」。玄界灘や長崎、大分など九州近海で獲れた新鮮な魚介を毎朝市場で厳選し、天然ものにこだわったお造りや焼物、椀物などで提供します。特に、透き通るような身の白身魚や、季節ごとの旬魚の味わいは格別です。魚介だけでなく、佐賀牛や福岡の「華味鳥」といった九州産の良質な肉も取り入れ、地産地消を大切にした料理が楽しめます。すべての料理の味の基盤となるのは、「天然道南産一等真昆布」と「本枯れ鰹節」から丁寧に引いた黄金色の一番出汁。素材の持ち味を繊細に、そして深く引き立てます。
料理は、季節の移ろいを感じられる月替わりの会席コースが中心です。予算に応じて複数のコースが用意されており、一例として11,000円、14,300円、17,600円などの価格帯で、先付から始まり、お椀、お造り、焼物、揚物、食事、デザートまで、旬の味覚をふんだんに盛り込んだ構成となっています。アラカルトメニューも用意されているため、好みの料理を少しずつ味わいたいという要望にも応えてくれます。
料理と共に楽しみたい日本酒は、福岡の地酒を中心に全国各地の銘酒を常時取り揃えています。料理との相性を知り尽くした店主や女将におすすめを尋ねれば、その日の料理に最も合う一杯を提案してくれるでしょう。
店内は、木の温もりを基調とした上質で落ち着いた空間が広がります。北海道産の桂の一枚板を使用したカウンター席は全8席。職人の手さばきを間近に眺めながら食事を楽しめる特等席で、一人での利用やデートにも最適です。また、接待や会食、家族でのお祝いといったプライベートな時間を大切にしたい場面では、掘りごたつ式の完全個室(最大6〜8名様まで利用可能)が用意されています。個室であれば、子連れでの利用も相談可能です。
サービスは女将が担当し、夫婦二人三脚の温かく、心のこもったもてなしが心地よい雰囲気を生み出しています。アレルギーや苦手な食材にも、予約時に伝えれば可能な限り対応してくれるなど、細やかな配慮も行き届いています。特別な記念日には、事前に相談することでサプライズの協力も得られるかもしれません。上質な空間で、本物の和食と日本酒をじっくりと味わいたいとき、覚えておきたい福岡・天神エリアの名店です。