福岡県那珂川市松木1丁目67に位置していた「海都 那珂川店」は、かつて地域で親しまれた回転寿司レストランでした。JR博多南駅からは徒歩でおよそ9分(約660メートル)の距離にあり、また、高速筑紫野インターからは車で約35分と、公共交通機関、車いずれでもアクセスしやすい立地でした。那珂川市の主要幹線道路である「いちょう通り」沿い、安徳北小学校の近く、モスバーガー那珂川店の隣に店舗を構えていました。
この店舗は、株式会社マリンポリスが展開する「海都」ブランドの一員で、以前は「すし日和 那珂川店」として営業していました。店内は一般的な回転寿司の形式でありながら、中央に寿司職人が常駐し、目の前で握られる新鮮な寿司がレーンを巡るスタイルが特徴でした。これにより、顧客は回ってくる寿司を自由に選ぶことも、卓上のタブレット端末から直接注文することも可能で、提供される寿司の品質にこだわりを持つ「グルメ系回転寿司」として評判を集めていました。
提供される寿司は、お皿の種類によって価格が異なり、132円、198円、264円、396円、528円、726円(いずれも税込)といった幅広い価格帯で展開されていました。特に人気を集めていたメニューには、厚切りでマグロの旨味が凝縮された「中トロ」、皮目を軽く炙ることで香ばしさを引き出した「金目鯛」や「のどぐろ」、新鮮な食感が魅力の「カンパチ」などがありました。握り寿司以外にも、魚の旨味がたっぷり溶け込んだ「あら汁」や、出汁が効いた滑らかな口当たりの「茶碗蒸し」、外はカリカリ、中はジューシーな「鶏のから揚げ」、ふんわりとした食感の「だし巻き玉子」といった一品料理も充実していました。
また、ユニークな組み合わせの寿司も提供されており、トロの旨味とたくあんの食感や塩味が絶妙に調和した「トロたく巻き」、甘めの醤油ダレとアジの旨味がマッチした「ゴマあじ握り」、レモンの酸味と塩味が海老の旨みを引き立てる「生えびレモン塩」なども多くの利用者に好評でした。食事の締めくくりには、梅肉の酸味と大葉の風味が爽やかな「梅しそ巻き」や、デザートとして「ソフトクリーム」や「パイナップル」も楽しむことができました。自宅で店の味を楽しめるお持ち帰りメニューも用意されており、「華(11貫)」は2,160円(税込)で、本まぐろ中とろなど人気のネタが含まれていました。
座席については、詳細な情報は確認できませんでしたが、回転寿司という業態から、カウンター席やボックス席が中心であったと推測されます。ピーク時には店内が満席になるほどの賑わいを見せていたこともあります。特別なサービスとしては、会計時にコインが渡され、店内に設置されたガチャガチャを楽しむことができるユニークな趣向がありました。このガチャガチャでは、「当たり」が出ると景品がもらえ、ソフトクリームやパイナップルといったデザートが含まれることもありました。
残念ながら、「海都 那珂川店」は現在営業を終了しております。長年にわたり地域住民や訪れる人々に美味しい寿司と楽しい食事の時間を提供し、多くの思い出を育んだお店でした。