福岡市中央区薬院の閑静な住宅街に佇む「金のわらじ」は、博多を代表する郷土料理である水炊きを主軸に、心温まる和食を提供する店として知られています。福岡市営地下鉄七隈線薬院大通駅から徒歩およそ3分、また西鉄バスの南薬院バス停からは徒歩1分と、公共交通機関でのアクセスも良好な立地です。この店は、百年以上の歴史を持つ老舗料亭「新三浦」の伝統の味と技を、女将である白井三希子さんが受け継ぎ、家庭的でやさしい味わいの水炊きを提供していることで、食通の間でも評判を集めています。
店内はこじんまりとしながらも落ち着いた雰囲気が特徴で、壁に飾られた桜の絵が空間に彩りを添えています。総席数は20席で、カウンター席と掘りごたつ席を中心に構成されており、ゆったりと食事を楽しむことができます。貸切利用も可能で、15名以上の利用で相談に応じてもらえるため、プライベートな集まりや宴会にも対応可能です。全席禁煙となっており、快適な空間で食事を堪能できます。
「金のわらじ」で提供される水炊きは、毎朝、生後3ヶ月以内の新鮮な丸鶏を5~6時間以上かけてじっくりと炊き上げた、伝統の白濁スープが自慢です。この濃厚でありながらマイルドで口当たりの良いスープは、創業以来受け継がれる秘伝の技によって生み出されています。基本のメニューは「水だき単品」が3,300円(2名より)、手作りの惣菜盛り合わせ5品、肝煮、手羽先の唐揚げなどが付く「水だきコース」が4,500円(いずれも2名より)で提供されています。鍋の具材は骨付きのモモ肉がメインで、丁寧にアクが取り除かれた状態で提供されます。添えられる塩は全国各地の天然塩をブレンドしたもので、スープの旨味を一層引き立てます。
ランチタイムには、手軽に老舗の味を楽しめる「鶏水炊き小鉢定食」が850円で提供されています。この定食には、小鉢5種、ご飯、漬物、鶏スープ、そして具沢山の水炊きが含まれており、大変満足度の高い内容です。小鉢は鮭フレーク、筍、なます、キノコの煮物、卵焼きなど、季節ごとに異なる様々な味が楽しめます。濃厚な鶏スープは別添えの塩を少量加えることで、さらに深い味わいを感じられます。水炊きの具材は鶏肉、豆腐、白菜、つみれなどが入っており、特製のポン酢でいただくのがおすすめです。食後にはデザートとしてフルーツが提供されることもあり、コストパフォーマンスの高さも魅力の一つです。夜の小料理メニューも400円から600円程度で豊富に用意されており、ハンバーグやパスタといった洋食メニューも楽しめるため、幅広い客層に支持されています。水炊きを堪能した後の〆には、追加料金で卵入りの雑炊も提供され、鶏の旨味が凝縮されたスープで仕上げる雑炊は格別の味わいです。
来店客からは、その本格的な水炊きの味はもちろんのこと、女将の心遣いやアットホームな雰囲気も高く評価されています。コンサート帰りなど、営業時間外での利用を希望する場合には、事前に相談することも可能です。また、ランチ営業中に昼呑みも楽しめるため、様々なシーンで利用できる柔軟性も持ち合わせています。近年では、Uber Eatsによる出前やテイクアウトにも対応しており、自宅で手軽に「金のわらじ」の味を楽しむことも可能です。伝統の味を守りつつ、現代のニーズにも応える「金のわらじ」は、地元福岡の人々はもちろん、観光客にも博多の味を伝える貴重な存在として、これからも多くの人に愛され続けることでしょう。