福岡市中央区大名に佇む「台所ようは」は、大名の路地裏にある趣深い古いアパートを再利用した、隠れ家のような飲食店です。食空間演出家である大塚瞳氏が手掛けたこの場所は、「毎日食べたくなるごはん」をテーマに、日本の豊かな風土や習慣、文化を食を通じて伝えることをコンセプトとしています。最寄りの福岡市地下鉄空港線 赤坂駅からは徒歩約5分から9分、福岡市地下鉄七隈線 薬院大通駅からは徒歩約10分から13分と、複数の駅からのアクセスが可能で、天神駅からも徒歩圏内です。大名の賑わいから少し離れた静かな立地で、落ち着いたひとときを過ごせます。
店内は古民家の温かみを活かした空間で、カウンター席とテーブル席が用意されています。カウンター席は心地よい距離感で、一人でも気軽に立ち寄れる雰囲気です。友人や家族との食事にはテーブル席が利用でき、様々なシーンに対応可能です。総席数は35席で、大人数での利用も可能であり、30名以上の団体であれば貸切での対応も相談できます。しかしながら、専用の個室は設けられていません。
「台所ようは」の大きな特徴は、その日その季節に合わせた「おばんざい」と、体を温める「鍋料理」を中心としたメニュー構成です。日々、農家や産地を訪ねて仕入れる旬の野菜をふんだんに使い、魚や肉も取り入れたおばんざいがカウンターに並びます。これらの料理は、調味料から全て手作りされるなど、家庭ではなかなか再現できない手間暇がかけられており、ここでしか味わえない独自の価値を生み出しています。名物の「中国醤油漬けしっとり丸鶏」や「羊とフェンネルの水餃子」、「羊肉しゃぶしゃぶ火鍋」といった特色ある品々が楽しめます。
昼の時間帯である12時から15時には、ランチ限定業態として「とんかつようは」が営業しています。ここでは、福岡県産の厳選された糸島豚を使用したこだわりのとんかつを堪能できます。土鍋で炊き上げた美味しいご飯、自家製の味噌を使った熱々の味噌汁、そして自家製漬物が添えられ、キャベツにはソースをかけずに食べられるようワインビネガーで味付けされているなど、細部にまでこだわりが光ります。
夜の平均予算は5,000円前後で、コース料理は「ようはのおまかせコース」として6,800円、8,500円、13,800円の3種類が用意されています。ぐるなびネット予約限定で、4名様より利用可能なフリードリンク付きコース(8品8,000円)も提供されており、多様なニーズに応えます。ドリンクメニューも充実しており、料理との相性を考慮して厳選された中国酒や日本酒、焼酎などが豊富に揃えられています。特に、店主こだわりの中国酒は、食事に合う度数の低いものから用意されており、新たな味覚の扉を開くきっかけとなるでしょう。
また、店舗はテレビや雑誌、SNSでも話題となっており、2022年にはフランスの有力レストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』にも掲載されるなど、国内外から注目を集めています。店舗の2階には「MINT BAR HAKKA」が併設されており、「台所ようは」の料理と「MINT BAR HAKKA」のドリンクを相互に提供している点もユニークです。店内には水耕栽培の水槽が常設され、そこで育ったミントを使ったカクテルなども提供されています。テイクアウトや子ども同伴での利用も可能です。訪れる人々に、食を通じてその土地の文化と丁寧な手仕事が織りなす、心温まるひとときを提供し続けています。