福岡県飯塚市秋松に位置する「覇薇可否道」は、地域で長きにわたり愛され続けている喫茶店です。1974年に柏の森で創業して以来、現在の地に移転しつつも約50年の歴史を刻み、現在は初代店主の娘さんが二代目としてその伝統を受け継いでいます。店内には、移転前の店舗から引き継がれたアンティークの家具や照明、美しいステンドグラスが配されており、訪れる人々を温かく包み込むようなレトロで落ち着いた雰囲気が特徴です。その空間は、日々の喧騒を忘れさせ、ゆったりとした時間を過ごすことができる特別な場所として親しまれています。
同店の最大の魅力は、長年のこだわりが息づく本格自家焙煎コーヒーです。特別なシルバースキンレス機を用いて雑味を丁寧に除去したコーヒー豆を挽き、独自の「はらドリッパー」で一杯ずつ丁寧にネル(布)ドリップで抽出されるコーヒーは、その香り高さとまろやかな口当たりで多くの愛好家を魅了しています。メニューはコーヒーだけでも4ページにわたるほど種類が豊富で、好みに合わせて様々な味わいを楽しむことができます。
コーヒーとともに提供される自家製のスイーツやサンドイッチ類も「覇薇可否道」の大きな魅力の一つです。特に人気を集めているのは、黄身がとろりとした食感が特徴の自家製卵サンド。また、季節ごとに登場するフルーツサンドも評判で、いちごが旬の時期には見た目も華やかなストロベリーサンドが提供されます。セットコーヒー付きで1,250円程度で楽しむことができ、自家製ホイップの優しい甘さとジューシーなフルーツのハーモニーが絶妙です。さらに、長年愛され続けているベストセラーメニューとして、深煎りの豆をじっくりハンドドリップして作られた自家製コーヒーゼリーがあり、ほろ苦さとバニラアイスのまろやかさが織りなす味わいは、純喫茶の雰囲気にぴったりの逸品として700円程度で提供されています。他にも、どこか懐かしい昭和の趣を感じさせる自家製ケーキは、ホールでの注文も可能で、誕生日などの特別な日の利用にも対応しています。近年では、栄養バランスを考慮したヘルシーランチも好評を得ており、一番人気の赤ワインと黒胡椒のマイルドな味付けが特徴のコブサラダや、ロコモコ丼といった食事メニューも充実しています。
店内は総席数40席を設けており、テーブル席の他にカウンター席も用意されています。個室や座敷、掘りごたつ、ソファー席、テラス席は設けられていませんが、ゆったりと過ごせる空間が確保されています。来店時の検温や店内消毒液の設置、従業員のマスク着用や手洗い、換気設備の設置など、感染症対策にも配慮がなされています。また、店内は仕切りなしの分煙となっています。支払いにはPayPay、d払い、au PAY、メルペイといったQRコード決済が利用可能です。
アクセスについては、西鉄バス筑豊「穂波農協」バス停から徒歩約14分、JR筑豊本線(若松-桂川)天道駅からは徒歩約23分、飯塚駅からは徒歩約27分と、公共交通機関でのアクセスも可能です。車での来店も便利で、八木山バイパス穂波東ICから車で約3分と近く、20台分の駐車場が完備されているため、遠方からの利用者も安心して訪れることができます。
「覇薇可否道」では、店内で使用されているこだわりのコーヒー豆やドリップコーヒーの販売も行われています。年末年始も元旦まで営業する年が多く、バースデーケーキの注文も受け付けているなど、利用客への細やかなサービスも提供されています。地元の人々に長く愛され続けるこの喫茶店は、こだわりのコーヒーと手作りの温かい料理、そして懐かしさを感じる空間で、訪れる人々に癒やしの時間を提供し続けています。