福岡県福岡市中央区渡辺通5-24-37に位置していた「和風串揚げ 禅」は、その名の通り和の趣を取り入れた創作串揚げの専門店として、長年にわたり地元福岡の人々に愛されていました。地下鉄天神南駅からわずか徒歩1〜2分、西鉄福岡(天神)駅からも徒歩3〜4分圏内という利便性の高い場所にありながら、百貨店大丸福岡天神店の向かいの細い路地裏にひっそりと佇む隠れ家のような雰囲気を醸し出していました。専用の駐車場は備えていませんでしたが、そのアクセスの良さから多くの客が訪れていました。
創業から30年以上の歴史を持つ老舗として、店はご夫婦によって丁寧に営まれていました。店内は全13席ほどのカウンター席のみで構成されており、個室は設けられていませんでしたが、目の前で揚げられる串揚げを五感で楽しむことができる、落ち着いた大人の空間が広がっていました。このアットホームながらも洗練された雰囲気は、一人での食事はもちろん、デートや友人との語らいの場としても選ばれる理由となっていました。
「和風串揚げ 禅」の串揚げは、極めて細かなパン粉を使用しているのが最大の特徴でした。この独自の衣は油をほとんど吸わず、カラッと軽く揚がるため、揚げ物でありながらもヘルシーで胃もたれしにくいと評判でした。厳選された四季折々の旬の魚介類、上質な肉、瑞々しい野菜など、季節感を大切にした食材が丁寧に串に刺され、それぞれの素材の持ち味を最大限に引き出すために、特製のソース、爽やかなポン酢、ピリッとしたマスタードソース、濃厚なタルタルソース、そして上質な塩など、多様な自家製調味料が用意されていました。一本一本の串揚げに合わせて、店主がおすすめの食べ方を提案してくれるのも、この店ならではの趣深いサービスでした。
ランチタイムには、手頃な価格で本格的な串揚げを楽しめるメニューが充実していました。例えば、「串揚げ定食」(920円〜980円)は、7本の串揚げに加えて、ご飯、味噌汁、小鉢、サラダがセットになっており、特にご飯と味噌汁はおかわり自由という嬉しいサービスが付いていました。他にも、ジューシーなヒレカツ串が6本付く「ヒレカツ定食」(1,300円)や、串揚げ8本と充実した副菜が楽しめる「あかね串定食」(1,700円)などがあり、ランチの予算は概ね1,000円前後で満足できる内容でした。
夜のディナーでは、より趣向を凝らしたコース料理が提供されていました。「禅コース」(2,900円 税別)では、季節の移ろいを感じさせる11本の創作串揚げが提供され、それに加えて有機野菜のスティック、そして店のもう一つの名物である3種類のミニ茶漬け、さらには食後のデザートが付いていました。また、お客様が満足するまで揚げ続ける「おまかせコース」も人気を集めていました。このコースの串揚げは1本100円から380円程度の価格帯で、口直しやデザートも含まれており、自分のペースで様々な串揚げを堪能できる点が魅力でした。ドリンクメニューも充実しており、日本酒や焼酎に対する強いこだわりが感じられ、串揚げとの相性を考えた銘柄が豊富に揃えられていました。
かつてオンライン予約の特典として、珍しい「アイスクリームの串揚げ」がサービスされることがあり、来店客のサプライズを演出していました。また、PayPayでの決済も可能で、利便性も兼ね備えていました。しかしながら、最新の情報によると、この福岡市中央区渡辺通の住所にあった「和風串揚げ 禅」は、現在では「CafeBar ZEN」という異なる業態の店舗として営業しているとされています。