福岡県八女市黒木町に位置する中山吉祥園は、慶応元年(1865年)創業という150年以上の歴史を持つ老舗の茶葉製造販売問屋が手掛けるカフェです。長年にわたり八女茶の魅力と品質を追求してきた伝統を受け継ぎながら、2021年4月に「n/ティースタンド」としてリニューアルオープンし、より気軽に日本茶を楽しめる場所として親しまれています。最寄りの羽犬塚駅からは車で約37分と、やや距離はありますが、八女の豊かな自然と歴史を感じながら訪れるのに最適な立地です。特に、黒木の大藤のすぐ隣という場所は、観光名所としても知られています。公共交通機関を利用する場合でも、バス停「大藤前」からは徒歩約1分と、アクセスしやすい環境が整っています。
中山吉祥園のコンセプトは「日本茶を通したスローライフ」の提案であり、若い世代にも日本茶の魅力を伝えたいという思いから、お茶屋の敷居を低く、カジュアルに楽しめる空間を創り上げています。白を基調としたスタイリッシュな外観は、のどかな黒木町の町並みや藤棚の風景と見事に調和し、訪れる人々を魅了します。店内は、茶器や厳選された八女茶の茶葉、お茶を使ったお菓子などが並べられ、購入も可能です。テイクアウトだけでなく、ゆっくりと座って飲めるスペースも設けられています。安心・安全な食へのこだわりも強く、無農薬栽培の八女茶を提供しているほか、2013年には八女茶問屋として唯一ハラール製造認定を取得しており、多様な背景を持つ人々が安心して利用できるよう配慮されています。
メニューの中心は、もちろん八女茶を様々なスタイルで楽しめるドリンクです。定番の抹茶フラッペやほうじ茶ラテをはじめ、緑茶、玄米茶、和紅茶など、茶種を選んでフラッペ、ラテ、ストレートといった好みの飲み方でオーダーできるのが特徴です。その時期ならではの季節限定ドリンクも登場し、例えば肌寒い季節には、八女産のほうじ茶をベースにスパイスとリンゴの甘酸っぱさを加えた「シナモンアップルほうじチャイフラッペ」や「シナモンアップルほうじチャイラテ」といった心温まる一杯が提供されます。ホットドリンクは甘さの調整も可能で、甘いものが苦手な方から甘党の方まで、それぞれの好みに合わせて楽しむことができます。平均的な予算は500円から1000円程度で、質の高い日本茶を気軽に味わうことができます。また、お土産にも最適な「濃厚八女抹茶クランチ」などの菓子も販売されています。
店内には合計10席の座席が用意されており、ゆったりとくつろげる空間が提供されています。個室や座敷、掘りごたつ、カウンター席、ソファ席、テラス席の設置はありませんが、席ごとに一定の間隔が保たれており、落ち着いて過ごせるよう配慮されています。
特別なサービスとして、ハラール認証の取得は特筆すべき点です。これにより、ムスリムの方々も安心して八女茶や和菓子を楽しむことができます。また、英語メニューも用意されており、海外からの訪問者にも配慮されたサービスが提供されています。支払いは、主要なクレジットカード(VISA、Mastercard、JCB)、電子マネー(Suica、ICOCA、iD、QUICPay、ApplePay)、QRコード決済(PayPay、au PAY)など多様な方法に対応しており、利便性も高いです。オンラインでの予約も可能で、事前に空席状況を確認して来店することができます。テイクアウトにも対応しており、待ちスペースも設けられているため、時間がない場合でも気軽に立ち寄ってドリンクや商品を購入できます。バリアフリー設計も施されており、誰もが快適に利用できる環境が整えられています。
この施設は、単なるお茶の販売店にとどまらず、八女茶の豊かな歴史と文化を現代的な感性で体験できる、八女地域を代表するスポットの一つと言えるでしょう。伝統と革新が融合した中山吉祥園は、地元の人々はもちろん、観光客にとっても訪れる価値のある場所として、その存在感を放っています。