福岡市中央区薬院に佇む「穴子専門店 一(はじめ)」は、長崎県対馬の豊かな海で育まれた天然のアナゴを主役に据えた、繊細な和食を提供する隠れ家的な存在です。薬院大通駅から徒歩およそ6分から8分というアクセス良好な立地にあり、地下鉄を利用して訪れる方にも便利な場所に位置しています。リシェ薬院の1階に店を構え、都会の喧騒から一歩足を踏み入れると、和の趣あふれる落ち着いた空間が広がります。
店内は、和を感じさせる上品な設えが特徴で、ゆったりとした時間を過ごせるよう配慮されています。2名掛けのテーブル席が複数用意されており、それぞれが2卓ひと組で配置され、隣席との間には和モダンな簾が優雅に下ろされています。これにより、周りを気にすることなく、プライベートな雰囲気の中で食事を堪分に楽しむことができます。一人での利用にも適したカウンター席も設けられており、職人の手捌きを間近に見ながら、料理が完成するまでの過程を五感で堪能することも可能です。店全体に漂う洗練された和の空気感と、着物姿の女将による細やかな接客は、訪れる人々に心地よいひとときを提供し、高い評価を得ています。
「穴子専門店 一」は、浄水通りに本店を構える人気寿司店「鮨 かず矢」の姉妹店としても知られており、その確かな技術と食材へのこだわりが随所に息づいています。昼の時間帯はアナゴ料理の専門店として、夜は旬の素材を活かした居酒屋スタイルで営業しており、様々なシーンで利用できます。
メニューの中心となるのは、店名を冠する通り、厳選された天然アナゴを用いた数々の逸品です。特に昼夜を問わず提供される名物の「穴子めし」は、その味わいの深さで多くの食通を魅了しています。この穴子めしは、香ばしく焼き上げた穴子と、ふんわりと柔らかく煮付けた穴子の二種類から選ぶことができ、それぞれの調理法がアナゴ本来の旨みを最大限に引き出しています。また、一般的な穴子めしとは一線を画し、まずはそのままの味わいを楽しみ、次にカツオとアナゴの骨からとった風味豊かな出汁をかけて、ひつまぶしのように変化する味と香りを堪能できるのも特徴です。さらに、「穴子めし上」と「穴子めし特上」があり、特上は穴子の量が贅沢に約2倍に増量され、茶碗蒸しや専用の穴子だし、季節のお新香が加わるなど、より豪華な内容で提供されます。アナゴは、質の高い長崎県対馬産のものを使用しており、素材本来の風味を大切にした料理が提供されています。
夜の部では、アナゴの刺身(1,500円)といった珍しい一品料理も楽しめます。オープンから2周年を迎えた頃からは、寿司の提供も始まり、一貫200円からという手頃な価格帯で、本格的な握り寿司を味わうことができるようになりました。その他、最近では「箱膳」(3,800円)といった新メニューも登場しており、これは小鉢6品、穴子の天ぷら、茶碗蒸し、穴子めし、そして食後の水菓子までがセットになった、目にも美しい御膳です。ディナーの予算は一人あたり約4,000円程度とされており、質の高い料理を比較的リーズナブルに楽しめる点も魅力です。
「穴子専門店 一」では、名物の穴子めしを持ち帰りとして提供しており、自宅でも専門店の味を堪能できるサービスも行っています。細部にまで行き届いた上質なサービスと、素材を活かしたこだわりの料理は、福岡の薬院エリアで特別な和食体験を求める方々に、一度は訪れていただきたい一軒です。