愛媛県松山市三番町に位置する「鮨 たか山」は、伊予鉄道城南線大街道駅から徒歩およそ6分から8分の距離にある、隠れ家のような鮨店です。みずほ銀行松山支店の裏手にあるサザンコーラスビルの3階にあり、落ち着いた雰囲気の中で上質な鮨を堪能できると評判を集めています。駐車場は完備されていませんが、近隣にはコインパーキングが点在しており、車でのアクセスも考慮されています。
「鮨 たか山」は、地元松山市出身の高山大親方が腕を振るう店として知られています。高山親方は、松山市で高く評価される鮨店で約4年間研鑽を積み、2018年6月に独立を果たしました。その店づくりにおいては、修行先の店舗設計も手掛けた建築デザイン会社に依頼し、細部にわたるこだわりが随所に感じられます。重厚感のある扉を開けると、ライトアップされた太鼓張の赤い障子が迎え、店内へ足を踏み入れると、温もりあふれる木の香りと共に洗練された和モダン空間が広がります。特に、お客様の視線から厨房の裏側を隠すような設計が施されており、非日常感の中で鮨の味わいに集中できる工夫が凝らされています。店内には季節の生花が飾られ、視覚からも季節の移ろいを感じられる演出もされています。
この店の特徴は、瀬戸内を中心に全国から厳選された旬の魚介を惜しみなく使用し、親方の熟練の技でその素材本来の旨みを最大限に引き出した正統派の鮨を提供している点です。愛媛県近海の地魚に加えて、愛南町の丸鉄水産から仕入れるアオリイカ、初夏のイサキ、冬のゴマサバといった地元特産の魚介類は特に好評を博しています。また、鮪は豊洲市場の人気仲卸「結乃花」から仕入れるなど、一切の妥協を許さない仕入れルートを確立しています。握りの要となる酢飯には、山形県産の「つや姫」が用いられ、米酢と赤酢の2種をブレンドした、甘さを抑え酸味を利かせたバランスの良いシャリが特徴です。ネタの種類や状態に合わせてシャリの温度を微調整するなど、細やかな配慮がされています。
メニューは基本的に「おまかせコース」のみで提供されており、一品料理と握りのフルコース構成です。旬の食材を活かすため、コース内容は毎日変わり、季節によって品数も変動します。そのため、いつ訪れても新しい味の発見があり、訪れるたびに異なる体験が楽しめます。コース料金は税込16,500円が目安とされていますが、時期や内容によって変動する可能性もあります。ドリンクメニューも充実しており、日本酒に並々ならぬこだわりを持ち、愛媛県の「石鎚酒造」の銘柄をはじめ、全国各地の限定酒や名酒を常時20種類以上取り揃えています。鮨との相性を考え抜かれた日本酒のセレクションは、食通をもうならせるでしょう。ワインはボトルでの提供で、シャンパーニュや白ワインが約10種類用意されています。
座席は全9席のカウンター席のみで、親方との会話を楽しみながら目の前で繰り広げられる匠の技を間近に見られるのが醍醐味です。個室は設けられていませんが、店全体を貸し切ることは可能で、8名から9名程度の少人数での会食や特別な集まりにも対応しています。座敷や掘りごたつ、ソファ席は用意されていません。
お客様への細やかな配慮も人気の理由の一つです。食物アレルギーや苦手な食材については可能な限り対応してもらえますが、魚が苦手な場合は事前に相談が必要です。お子様の来店は、大人と同じコースメニューを召し上がれる場合に限り受け入れています。服装に関しては、厳格なドレスコードは設けられていませんが、タンクトップなどの軽装や香りの強い香水の使用は控えることが推奨されています。さらに、来店時にはタクシーの手配が可能であり、車椅子での来店も可能で必要に応じてスタッフによる手助けも受けられます。キャッシュレス決済にも対応しており、各種クレジットカードや交通系電子マネー、iD、QUICPay、PayPayなどが利用可能です。
「鮨 たか山」は、素材への深いこだわりと熟練の技術、そして洗練された空間が一体となり、訪れる人々に非日常の体験と心に残る鮨の味わいを提供する、松山市を代表する鮨店の一つと言えるでしょう。
