静岡市葵区両替町に位置していた「スパニッシュイタリアン&パエリア バルアール」は、かつて多くの人々に親しまれた地中海料理のレストランでした。静岡鉄道静岡清水線新静岡駅から徒歩約10分、静岡伊勢丹のすぐ裏通りという隠れ家のような立地にあり、アクセスしやすい場所に位置していたとされています。元々両替町2丁目にあった「地中海ダイニング バルアール」が、2021年10月5日に現在の両替町1丁目の住所へ移転リニューアルオープンし、その際に店名も「スパニッシュ&イタリアン バルアール」として営業していました。
店内はシックで落ち着いた大人の雰囲気が特徴で、ゆったりと食事の時間を過ごせる空間が提供されていました。特に、お洒落な一枚板のカウンター席は、バル感覚で気軽に一杯楽しむのに最適でした。このカウンター席では、スペイン産の高級生ハム「ハモンセラーノ」の原木から、目の前で職人によって丁寧にハムが切り分けられる様子を見ることもでき、その場で切りたてのフレッシュな味わいを堪能できました。その他にもテーブル席が用意されており、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しむことができました。座席数は全体で約20席とされ、カウンター席が6席、テーブル席が14席で構成されていました。間仕切りで仕切られた半個室も設けられており、プライベートな空間で食事を希望する客のニーズにも対応していました。店舗の貸切利用も可能で、平日であれば12名から、金曜日と土曜日であれば15名から貸切に対応していました。
料理のコンセプトは、スパニッシュとイタリアンを融合させた地中海料理で、特にパエリアは店の看板メニューの一つとして知られていました。新鮮な魚介をふんだんに使用した「魚貝のパエリア」は、国産のあさりやムール貝から取れる豊かな出汁をベースに、真イカ、白身魚、有頭エビなど多彩な海の幸の旨味が米にたっぷりと凝縮されており、その香りと味わいは多くの客を魅了しました。レモンを絞って風味を加えたり、パエリアパンの底にできた香ばしいお焦げを楽しむこともできました。また、「イカスミパエリア」も隠れた人気メニューとして絶品と評されることがありました。パエリアは2人前から提供されており、2人前で2250円、3人前で3200円、4人前で4200円、5人前で5200円(いずれも税別)と、人数に応じた料金設定がされていました。
パエリア以外にも、多彩なタパスや前菜が充実していました。日替わりで提供されるお通しも工夫が凝らされており、ポタージュ、桜えびのキッシュ、白身魚のエスカベッシュなどが提供され、これらも好評を博していました。特に、「レバーパテ」や「牡蠣のガーリックオイル」といったタパス、そして「鶏もも肉のグリル キノコと柚子胡椒のバターソース」などがワインとの相性を考えたメニューとして人気を集めました。シンプルな岩塩焼きの鶏肉も、素材の味を活かした一品として提供されていました。自家製のパスタも具沢山で美味しいと評判でした。
ドリンクメニューでは、手頃な価格帯でありながらも豊富な種類のワインが取り揃えられており、ボトルでの注文も気軽に楽しむことができました。ワイン以外にも、こだわりのカクテルが提供され、料理とのマリアージュを楽しむことができました。また、4000円から5000円程度の飲み放題コースも用意されており、本格的なパエリアやタパス盛り合わせ、魚料理などが楽しめるコースは、女子会や歓送迎会などの各種パーティーシーンにも適していました。
支払い方法については、VISA、Master、JCB、AMEX、Dinersといった主要なクレジットカードが利用可能でした。チャージ料として300円(深夜24時以降は500円)が発生し、コース料理をクレジットカードで支払う場合は別途サービス料が発生することがありました。喫煙に関しては、かつては全席喫煙可能でしたが、タバコの煙が気になる客には風上の席を用意するなどの配慮がされていました。店舗には専用の駐車場は設けられておらず、近隣のコインパーキングの利用が推奨されていました。運転代行割引券のサービスも提供されていたようです。お祝いやサプライズの演出にも対応可能で、2時間半以上の宴会プランも相談に応じていました。なお、中学生以下の若年者の来店は断る場合があるとの記載も見られました。
残念ながら、「スパニッシュイタリアン&パエリア バルアール」は、2024年8月をもって営業を終了したとの情報が確認されています。これにより、かつて静岡の地で本格的なスペイン料理とイタリア料理を気軽に楽しめる隠れ家的なダイニングとしての役割を終えました。