静岡県伊豆の国市中に位置していた「反射炉ビヤレストランほむら」は、2024年1月15日をもって閉店いたしました。かつては、世界文化遺産である韮山反射炉に隣接する「蔵屋鳴沢」の敷地内にあり、地元のクラフトビール「反射炉ビヤ」と、伊豆の自然の恵みを活かした炭火焼き料理が楽しめるビアレストランとして親しまれていました。無濾過・非加熱で酵母が生きた深い味わいの反射炉ビヤは、定番の「太郎左衛門(イングリッシュペールエール)」、「早雲(アメリカンペールエール)」、「頼朝(ブラウンポーター/黒ビール)」といった伊豆の偉人の名を冠した銘柄のほか、年間を通して40〜50種類もの限定品が醸造され、常時6種類以上が提供されることもありました。反射炉ビヤの名の由来は、幕末の伊豆代官、江川太郎左衛門英龍が韮山に反射炉を築造し、日本初のパン製造を行うなど、西洋文化を積極的に取り入れた人物であることに敬意を表し、「伝統と革新」をコンセプトにビールを製造し続けている蔵屋鳴沢の精神が込められています。
伊豆箱根鉄道駿豆線伊豆長岡駅からはタクシーで約7分、または徒歩で約25分の距離にあり、沼津長泉I.Cからは車で約30分と、車でのアクセスも便利な立地でした。50台分の無料駐車場が完備されており、車椅子での入店も可能なバリアフリー対応の店舗として、幅広い層の利用者に配慮されていました。
広々とした店内には最大200席(2Fに144席、1Fに24席と60席)が設けられ、落ち着いた空間で食事ができたようです。個室は設けられていませんでしたが、全席禁煙で、屋外に喫煙スペースが用意されていました。ランチの予算は1,000円から1,999円程度、ディナーも同様の価格帯で、気軽に利用できる価格設定が魅力の一つでした。
メニューには、静岡県産の骨付き鶏もも肉を炭火で丁寧に焼き上げた「名物!ほむら焼き」や、静岡県産のブランド牛である彩美牛や白糸牛のサーロインを炭火で味わう料理、伊豆産の本わさびを使用した「伝説のローストビーフ丼定食」や「伊豆産わさび丼とアジの干物・イズシカ網焼き定食」などが提供され、地域の食材を活かした食事が楽しめました。特にランチタイムには、限定食のメニューも用意されており、クラフトビールとの相性も抜群と評判でした。また、4種の反射炉ビヤを少量ずつ楽しめる「4種お試しセット」も人気でした。テイクアウト対応も行われていた時期もあり、地元の味を自宅でも楽しむことができました。
現在はレストランとしての営業は終了していますが、「反射炉ビヤ」のボトルビールは、隣接する「反射炉物産館たんなん」で購入することが可能です。また、伊豆長岡駅前には「HANSHARO BEER STAND」があり、より気軽に反射炉ビヤの樽生ビールを楽しむことができます。