岐阜県加茂郡八百津町伊岐津志に佇む「Cafe Bisous(カフェ ビズ)」は、フランス出身のオーナー、アレクサンドル・アディエ氏(愛称アレックス)と、岐阜市出身の夫人である三恵さんご夫婦が営む、魅力あふれる古民家フレンチカフェです。店名の「Bisous」はフランス語で挨拶の際の軽いキスを意味し、訪れる人々を温かく迎え入れるお店のコンセプトを象徴しています。2022年3月にオープンして以来、その独特の世界観と上質な料理で、地域の新たな名所として親しまれています。
このカフェは、明治時代に建てられたとされる歴史ある古民家を、ご夫婦自らの手で約3年をかけて丁寧にリノベーションしたものです。特に、アレックス氏が「地域おこし協力隊」として八百津町に移住し、町の活性化に貢献しながら、自らインターネットで建築方法を学び、大工の指導を受けつつほとんどの改修作業を行ったというエピソードは、このカフェが持つ特別な背景を物語っています。外観は、日本の伝統的な「焼杉」と真っ白な壁が美しいコントラストをなし、訪れる前から洗練された和モダンの雰囲気を予感させます。店内へ足を踏み入れると、高い天井と大きな窓から差し込む自然光、そして柔らかな照明が織りなす開放的で温かい空間が広がります。
「Cafe Bisous」へのアクセスは、名鉄広見線「御嵩口駅」からは約4.8kmとやや距離がありますが、東鉄バスの「塩口」バス停からは徒歩約2分と便利です。店舗敷地内には駐車場も完備されており、車での来店も安心です。豊かな自然に囲まれた立地は、日常の喧騒を離れ、ゆったりとした時間を過ごしたい方に最適な環境を提供しています。
提供されるメニューは、フランスの家庭料理を主体とした月替わりのランチコースが中心です。ランチは11:00と12:30の二部制で、事前の予約が必須となっています。2,000円(税込)のランチコースは、前菜、スープ、サラダ付きキッシュプレート、ドリンク、デザートで構成され、一品一品にオーナーご夫婦のこだわりが光ります。前菜には、外はカリッと、中はとろりとした食感でクリームチーズが添えられた塩気のあるカヌレ「カヌレ・サレ」が登場し、その独創性が多くの来店客を魅了しています。スープは、さつまいもとココナッツミルクの甘みにスペイン産生ハムの塩味が絶妙なアクセントを加えた一品。サラダには、合鴨のローストやナッツ、そして八百津町特産の砕いた栗が添えられ、バルサミコドレッシングとの相性も抜群です。キッシュはベーコンと野菜の2種類から選べ、「野菜」のキッシュにはかぼちゃとパプリカが入り、優しい味わいにコク深いソースが添えられています。ドリンクはコーヒー、紅茶、ハーブティー、ジュースから選択可能で、珍しいトロピカルフルーツを使ったハーブティー「ラべデトロピック」なども楽しめます。デザートは、オーナーが毎朝一番に焼き上げるという、絶品と評判の「プチカヌレ3つ」または「本日のデザート」から選べ、特にカヌレはSNSでも高い評価を得ています。その他、コーヒーや紅茶は500円から、ジュースは400円から、デザート各種は300円から提供されています。
店内にはテーブル席と座敷席が設けられており、様々なシチュエーションに対応可能です。テーブル席の一部には畳が敷かれ、窓の外に広がる美しい庭園を眺めながら、穏やかな時間を過ごすことができます。また、座敷席からは木曽川の雄大な景色を一望でき、まるで絵画のような風景が広がります。広々とした45畳のメイン空間は、ドイツ製のペレットストーブによって冬でも暖かく保たれ、心地よい滞在を約束します。古民家の趣を残しつつ、現代的な快適さも兼ね備えた空間は、ゆったりと食事や会話を楽しみたい方に最適です。
「Cafe Bisous」は、フレンチの技法と日本の古民家が融合した独自のコンセプト、そして地元の素材を活かしたこだわりのメニュー、さらにオーナーご夫婦の温かいおもてなしが調和した、岐阜県八百津町で特別な時間を過ごせるカフェとして、多くの人々に愛されています。