岐阜県高山市八幡町に位置する「茶香房ひより」は、日本の伝統文化を深く体験できる和クラフトワークカフェです。桜山八幡宮の一の鳥居のすぐ横という、趣深い立地に店を構え、その静かで落ち着いた雰囲気の中で、訪れる人々に非日常の和の体験を提供しています。JR高山駅東口からは徒歩で約15分から25分とアクセスも良好で、古い町並みからは北へ徒歩約15分。車でのアクセスの場合も高山駅から約10分と便利で、桜山八幡宮の駐車場を利用できるため、観光客にとっても立ち寄りやすい場所にあります。濃飛バスセンターからは「まちなみバス」に乗車し、「八幡宮前(M14)」で下車すれば、すぐに到着します。
「茶香房ひより」のコンセプトは「日本茶」、「お香」、「結び(水引)」の三つの和の文化をテーマに掲げ、これらを体験を通して深く知ってもらうことにあります。店内には日本茶インストラクターや薫物屋香楽認定教授香司、さらにはナード・アロマテラピー協会認定アロマインストラクターといった専門知識を持つ講師が常駐しており、本格的な指導のもと、各体験を楽しむことができます。特に人気を集めているのは、白檀や龍脳といった天然香原料を用いた「匂い袋づくり」や「お線香・お部屋香づくり」の体験です。自分だけのオリジナルの香りを調合する時間は、心を落ち着かせ、五感を研ぎ澄ます貴重な機会となるでしょう。また、日本の伝統的な装飾技術である水引を用いた作品作りも体験でき、旅の思い出に形として残せることも魅力の一つです。季節に応じた特別な講座や、より専門的なお香調合講座が開催されることもあり、訪れるたびに新たな発見があるかもしれません。
喫茶メニューは、一般的なカフェとは異なり、日本茶の専門性を追求したテイスティング形式の呈茶がメインとなっています。静岡産の希少品種茶を常滑焼の平型急須で淹れ、お茶本来の風味や香りの奥深さをじっくりと味わうミニ講座形式で提供されます。これにより、単にお茶を飲むだけでなく、日本茶の文化や淹れ方についても学ぶことができます。一部の口コミでは、独自の「オリジナルお屠蘇サイダー」が提供され、その美味しさと体が温まる不思議な体験が好評を得ています。料金は昼夜ともに一人あたり500円から1,000円程度で利用できることが多く、体験料は2,000円から設定されています。また、「さるぼぼ倶楽部」の会員は試飲サービスを受けられる特典があり、JAF会員は匂い袋づくりや塗香づくり体験料が10%割引になるサービスも利用できます。
店内は総席数6席から11席とコンパクトながらも、和の趣が感じられる落ち着いた空間が広がっています。個室やソファ席、座敷、掘りごたつ、カウンター席、テラス席などは設けられていませんが、貸切での利用も可能で、20人以下の小規模なグループでの利用にも対応しています。小さなお子様連れでも安心して利用できるよう、乳幼児や未就学児、小学生も入店可能です。
営業時間は通常10時から18時までですが、事前に予約をすることで18時から22時までの夜間営業にも対応しています。これにより、日中の観光後にゆっくりと和の体験を楽しんだり、静かな空間で日本茶を味わったりすることも可能です。不定休であるため、事前に確認することをおすすめします。
「茶香房ひより」は、単なるカフェとしてだけでなく、飛騨高山で本格的な和の文化に触れ、心豊かな時間を過ごしたいと考える人々にとって、貴重な場所となるでしょう。日本の伝統と美意識が息づくこの空間で、香り高い日本茶と共に、記憶に残る体験を紡ぎ出すことができます。