岐阜県飛騨市古川町向町に佇む「八ツ三館」は、創業安政年間という長い歴史を持つ老舗の料亭旅館です。JR高山本線飛騨古川駅から徒歩約6分から8分と駅からのアクセスも良好で、送迎サービスも利用できます。車でのアクセスの場合、東海北陸自動車道清見インターチェンジからは車で約20分から25分、高山インターチェンジからも車で約20分です。敷地内には無料駐車場も完備されており、車での訪問も便利です。
八ツ三館の大きな特徴は、その歴史と建築様式にあります。明治38年築の「招月楼」は国の登録有形文化財に指定されており、明治時代の商家造りの面影を今に伝えています。その他、昭和初期に建てられた贅を尽くした数寄屋造りの「光月楼」、そして平成9年に建築された「観月楼」の3つの棟が連なり、それぞれの時代の趣を感じられる空間が広がっています。館内には、飛騨の匠の技が光る美しい梁や、雪見障子を開けると現れる枯山水の坪庭など、随所に和の美意識が感じられる趣向が凝らされています。また、かつて小説「あゝ野麦峠」に登場し、製糸業が盛んだった頃には飛騨最北の募集拠点として賑わった歴史も持っています。
八ツ三館での食事は、料亭旅館ならではのこだわりの会席料理が提供されます。夕食、朝食ともに個室の食事処でゆっくりと楽しむことができ、プライベートな空間で気兼ねなく食事の時間を過ごせます。季節ごとに内容が変わる月替わりの会席は、豊かな飛騨の山の幸、日本海から直送される海の幸、そして宮川で獲れる川魚など、旬の素材を吟味し、熟練の職人が丁寧に調理します。特に、地元飛騨古川で生まれ育ったA5・A4ランクの飛騨牛は、その甘みと柔らかさが感動を呼ぶ逸品です。また、春には山菜、夏には鮎の塩焼き、秋には山の幸、冬には氷見の寒ブリなど、四季折々の飛騨の味覚を堪能できます。朝食には、朴葉味噌焼きやこも豆腐、ぎせい焼きといった飛騨の郷土料理が並び、温かく優しい味わいで一日を始めることができます。ランチの提供もあり、季節の会席料理を味わうことができます。一休レストランの情報では、コース料金として12,100円、18,150円、24,200円の会席が記載されています。
客室は総数18室で、招月楼、観月楼、光月楼の各棟に多様なタイプが用意されています。招月楼の5室はすべて間取りが異なり、冬にはこたつが用意される部屋もあります。観月楼には、和の色をテーマにした部屋や、大きな客室展望風呂がある部屋があります。光月楼には、半露天風呂付き客室が3部屋と貴賓室があり、それぞれ異なる内装や間取りが特徴です。特に、半露天風呂付き客室は、ひのきの半露天風呂と足湯、御影石の半露天風呂とテラスデッキ、一枚岩をくり抜いた半露天風呂とテラスデッキなど、趣の異なる湯船と空間が魅力です。一部の客室には、飛騨の作家の椅子が配されたリビングや、花火大会を眺められる窓を持つ部屋もあります。全室にWi-Fiが完備されており、快適に過ごせます。
特別なサービスとして、八ツ三館ではお客様の「飛騨の自然」や「飛騨びとの営み」に触れ、心が豊かになる機会を提供することを目指しています。チェックイン時には、車を玄関に横付けするとスタッフが荷物を部屋まで運び、車を駐車場に回してくれるなど、きめ細やかなおもてなしが行われます。個室に通された後には、お抹茶とお茶菓子が提供され、旅の疲れを癒してくれます。館内にはライブラリー「花の間」やお土産処「ギャラリー蔵」があります。温泉は、車で20分ほどの距離にある流葉温泉から運ばれるアルカリ性単純泉で、美肌効果が期待できます。大浴場「せせらぎの湯」では、季節ごとに趣向を凝らしたイベント湯(バラ風呂、どぶろく風呂など)を楽しむことができます。また、日本庭園を眺めながら利用できるマッサージチェアが備わったリラクゼーションルームや、アロマテラピー、英国式リフレクソロジー、ハーブボールマッサージなどのエステサービスも利用できます。宿泊客はオリジナルの浴衣を選んで着用できるサービスもあります。