岐阜県養老郡養老町養老公園に位置する「千歳楼」は、養老公園の豊かな自然に抱かれた歴史ある宿泊施設であり、食事も楽しむことができます。創業は江戸時代の宝暦14年(1764年)と伝わる老舗で、養老公園にある旅館の中でも特に古い歴史を持ち、岐阜県内でも屈指の存在として知られています。明治13年に本館(総檜書院造)が建てられ、その後、大正期には栖鳳閣(数寄屋造り)、昭和初期には芳流閣(数寄屋造り)が増築され、これら三棟は国の登録有形文化財に登録されています。日本画家の巨匠である竹内栖鳳が設計デザインを手がけた「袖の間」など、客室それぞれに個性と趣が凝らされています。都会の喧騒から離れ、明治・大正ロマン漂う空間でゆったりとした時間を過ごすことができる点が大きな魅力です。
アクセスについては、養老鉄道養老駅からタクシーで約5分、または送迎車で約5分の距離にあります。徒歩では養老駅から約18分から23分かかるという情報もあります。車でのアクセスの場合、名神高速道路の大垣ICまたは関ヶ原ICからそれぞれ約20分から25分で到着します。無料駐車場も完備されており、車での訪問も便利です。
千歳楼では、旬の食材を活かした料理を提供しており、特に「特選飛騨牛のしゃぶしゃぶ」は、美しい霜降りがとろけるような食感と芳醇な香りが特徴で、贅沢な味わいを楽しむことができると評判です。会席料理として提供されることが多く、先付、季節の前菜、煮物または焼き物、旬の野菜盛り、うどん、ご飯、漬物、季節のデザートなど、品数豊富で手の込んだ献立が用意されています。朝食には飛騨牛ほうば味噌焼きなどが提供され、地元岐阜の味覚を堪能できます。宿泊プランに含まれる食事以外にも、夕食や朝食をオプションとして追加できる場合があります。宴会での利用も想定されており、通常平均予算が5,000円、宴会平均が4,000円、ランチ平均が3,000円とされています。
座席は、純和風数寄屋造りの空間で、情緒あふれる個室が用意されており、大切な方との食事や記念日、誕生日といった特別な日の利用に適しています。広々とした和室の客室もあり、小さなお子様連れのファミリーも安心して利用できる環境が整えられています。総客室数は5室から10室と情報により異なりますが、いずれも少数の客室でゆったりと過ごせるように配慮されています。
特別なサービスとしては、千歳楼創業当初(1764年)の原点である伊吹薬草を使った薬草風呂が令和4年より男女別に復活しており、総ヒノキ造りの浴槽と薬草の香りが特徴です。また、養老鉄道養老駅からの送迎サービスも利用できます。敷地内には不老ヶ池があり、6月にはホタルが飛び交う様子を見ることもできるなど、自然を満喫できる特別な体験が可能です。古民家再生プロジェクトなどを通じて、歴史的建造物の維持と、新たな魅力の創出にも取り組んでいます。