愛知県名古屋市中区栄１丁目６７ ラスター伏見2Fに位置していた「純米酒専門YATA伏見店」は、惜しまれつつも2025年3月末をもって閉店しました。かつては伏見駅から徒歩わずか1分というアクセス抜群の立地で、地下鉄東山線および鶴舞線の伏見駅6番出口からすぐの場所にあり、その利便性から多くの日本酒愛好家や立ち飲みファンに親しまれていました。丸の内駅や大須観音駅からも徒歩圏内という、都心部にありながらも気軽に立ち寄れる角打ちのような雰囲気を持つ店舗でした。
「もっと気軽に純米酒を」というコンセプトを掲げ、純米酒の魅力を広く伝えるための立ち飲みスタイルの日本酒バーとして営業していました。店内は14席程度の落ち着いたカウンター席が中心で、おしゃれな空間演出が施されており、電源も完備されるなど、現代のニーズに合わせた設備も特徴でした。個室や貸し切り利用はできませんでしたが、一人でも気軽に立ち寄って様々な純米酒をじっくりと味わうことができる雰囲気が醸し出されていました。店内は全席禁煙で、クリーンな環境で日本酒を楽しむことができました。
提供される日本酒は、米と米麹のみで醸された「純米酒」に特化しており、常時20種類以上もの全国各地の純米酒が用意されていました。メニュー表はなく、来店客の好みや気分に合わせて、プロの利酒師であるスタッフがコンシェルジュのように次の一杯を提案するスタイルが特徴的でした。日本酒の初心者から上級者まで、誰もが自身の「好みの一杯」を見つけられるよう、丁寧な説明とともに手酌で提供されていました。熱燗のリクエストにも応じ、割り水燗など、きめ細やかな温度調整で提供することで、日本酒の多様な表情を楽しむことができました。
看板メニューの一つであった「60分利き酒コース」は、2,000円で様々な銘柄の純米酒を時間内で飲み比べることができ、一杯あたり50mlでの提供でした。同じ銘柄の二度目の注文はできないというルールがあり、これはより多くの種類の日本酒を体験してほしいという店の願いが込められていました。また、どの銘柄も一律500円（100ml）で楽しめる単品注文も用意されており、それぞれのペースで楽しむことができました。お通しやチャージ料は一切なく、明確な料金体系も来店客にとって安心材料でした。
日本酒に合うおつまみも充実しており、ドライフルーツ盛り合わせ、本日の三種盛り、クリームチーズのわさび和え、寄せ豆腐、ホタルイカの炙り、サンチョビ、レバームースといぶりがっこなど、いずれも500円という手頃な価格で提供されていました。これらの肴は、日本酒の味わいを一層引き立てる工夫が凝らされており、口に入れた時の香りと旨みが絶妙な組み合わせを生み出していました。
「純米酒専門YATA伏見店」は、多言語メニュー（英語）にも対応しており、海外からの来店客も日本酒文化に触れることができるよう配慮されていました。クレジットカードや電子マネー、PayPayなどのQRコード決済にも対応しており、支払い方法の選択肢が広い点も現代的でした。時にはテイスティングセミナーや「YATAトラベル」と称した酒蔵訪問イベント、季節の食材と日本酒のペアリングを楽しむ会、さらには日本酒の知識を試すユニークな「YATA全国統一日本酒センター試験」なども開催され、単なる飲食の場にとどまらない、日本酒を通じた様々な体験を提供していました。泥酔と判断される場合は退店を促すなど、来店客全員が心地よく過ごせる環境づくりにも徹底していました。
