愛知県知多郡美浜町小野浦西川1に位置する「食と健康の館」は、美浜町の小野浦海岸沿いに広がる、自然との共生と食、健康に関する情報発信をテーマとした体験型観光・製塩施設です。道の駅のような雰囲気も持ち合わせており、地元特産品や新鮮な農産物の販売、そしてゆっくりと食事が楽しめるカフェが併設された多目的施設として、美浜町の代表的な観光拠点となっています。特に、古墳時代から受け継がれる塩づくりの技術を現代に蘇らせた「流下式枝条架塩田」は、愛知県内では唯一の施設であり、訪れる人々に塩が作られる過程を間近で示す「食と健康の館」の象徴となっています。この施設で濃縮された塩水は、製塩工房で丁寧に煮詰められ、ミネラル豊富な「美浜の塩」として製品化されています。
アクセスについては、車での利便性が高く、南知多道路「美浜IC」から約10分から15分ほどで到着します。施設には64台の乗用車と7台のバスが収容可能な無料駐車場が完備されており、広々としているため駐車しやすいでしょう。公共交通機関を利用する場合、名鉄知多新線「野間駅」が最寄駅となり、そこからタクシーで約10分、または美浜町巡回ミニバス(定員9名)を利用して「食と健康の館」で下車することも可能です。徒歩では「野間駅」から約27分を要します。小野浦海水浴場や野間埼灯台が目の前に広がるロケーションも魅力で、夏には美浜海遊祭のメイン会場となるなど、年間を通して多くの人々で賑わいます。
施設内に併設されている「Café SIO」は、2023年8月よりセルフサービス形式のカフェとしてリニューアルオープンしました。ここでは、地元の食材を活かした料理やスイーツ、ドリンクが提供されています。営業時間は午前9時から午後5時までで、モーニングは午前9時から午前11時、ランチは午前11時から午後2時、喫茶は午後2時から午後5時の時間帯で楽しむことができます。定休日は毎週火曜日と年末年始ですが、火曜日が祝日の場合は翌日が休みとなります。
「Café SIO」のメニューは多岐にわたり、朝食には「ふんわりサクサクフレンチトースト」、「ボリュームたっぷりたまごサンドトースト」、「シンガポール朝食の定番カヤトースト(土日限定)」の3種類のセットが各450円(税込)で提供されており、これらにはコーヒー、紅茶、オレンジジュースのいずれかが付いてきます。ランチタイムには、手仕込みのエビフライ定食が1,350円、穴子天丼定食が1,100円、トロトロたまごのオムライスが1,000円など、様々な定食や丼ものが揃っています。土日限定で提供される「みはまの海鮮丼」は1,600円で、地元の海の幸を堪能できます。また、カフェタイムには各種ドリンクの他、特に人気の高い「美浜の塩ソフトクリーム」(420円)や、季節ごとに変わるソフトクリーム、美浜産みかんスムージー(600円)などのテイクアウトメニューも充実しています。「美浜の塩ソフトクリーム」は、ほんのり水色がかった見た目と、甘さの中に塩味が絶妙に溶け込んだ芳醇な味わいで、訪れた多くの人々に愛されています。
座席はテーブル席の他に、海を眺めながら食事ができるカウンター席も用意されており、開放的なオープンテラス席も利用可能です。全体的に落ち着いたおしゃれな空間が広がっており、バリアフリー対応もされているため、車椅子利用者も安心して利用できる環境が整っています。個室の用意はありませんが、広々とした空間でゆったりと過ごせるでしょう。
「食と健康の館」では、食事だけでなく、ユニークな体験プログラムも提供されています。施設内で作られる塩の知識を深めることができる「塩づくり体験」は、料金700円で約40分のプログラムがあり、事前に1週間前までの予約が必要です。また、竹細工や炭工芸、押し花、トンボ玉作りといった文化的な体験講座も開催されており、来館者は美浜の自然や文化に触れる機会を得られます。館内ではWi-Fiも利用できるため、快適に過ごすことができます。これらの体験は、塩をテーマとした施設ならではの特別なサービスであり、旅の思い出を豊かにしてくれるでしょう。