愛知県名古屋市千種区千種通7丁目101に位置していた「八O吉 吹上」は、2021年7月17日にオープンしたテイクアウト専門のカレースタンドでしたが、2024年4月5日をもって閉店しました。かつては、地下鉄桜通線吹上駅5番出口から徒歩すぐという、駅からの距離わずか約85メートルと、アクセスに大変便利な立地を誇っていました。
この店舗は、千種区自由ヶ丘に本店を構える「八O吉」の2号店として展開されていました。「日々の暮らしにカレーなる体験を」をコンセプトに掲げ、創業者の実家である青果店「八百吉商店」から毎日仕入れる新鮮な野菜をたっぷりと使用したカレーが最大の特徴でした。提供されていたカレーは「暮らしのカレー」と称される完全菜食のメニューが中心で、肉を使用せずとも野菜本来の旨味やコクが深く感じられる一皿として知られていました。辛さ控えめの優しい味わいは、スパイスカレーに馴染みのない方や小さな子供でも楽しめるよう工夫されており、幅広い層から支持を得ていました。テレビ番組など多くのメディアでも取り上げられ、注目を集めていた時期もありました。
メニューは、基本的に「暮らしのカレー」(当時1,280円)がメインで提供されており、グリルした人参やオクラのサブジ、丸ごとのピーマン、アボカド、キャベツのコールスローなど、彩り豊かな旬の野菜のトッピングがふんだんに盛り付けられていました。また、カレーと共に楽しめるサイドメニューとして、鰹と昆布から丁寧に取った一番出汁で旬の野菜を煮詰めて揚げた「野菜の空揚」(当時580円)も提供されており、野菜の新たな魅力を提案していました。ドリンクには、注文を受けてから豆を挽き、ハンドドリップで丁寧に淹れるこだわりの「八O吉ブレンド」コーヒー(当時500円)や、すっきりとした味わいの「ジンジャーレモネード&スモーキー」などが用意されていました。
店内は「kabe(壁)」をテーマにしたスタイリッシュなデザインが特徴で、おしゃれな雰囲気が漂っていました。テイクアウト専門という位置づけでしたが、3席ほどの簡易的なイートインスペースも設けられており、購入したカレーをその場で味わうことも可能でした。個室の用意はなく、貸切利用もできませんでしたが、全席禁煙で、家族連れや子供連れの利用も歓迎されていました。店舗専用の駐車場は2台分が完備されており、車での来店も便利な点が特徴でした。支払い方法としては、VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubなどの各種クレジットカードに加え、交通系ICカード(Suica、PASMOなど)、楽天Edy、nanaco、WAON、iD、QUICPayといった主要な電子マネーも利用可能でした。
「八O吉 吹上」は、その野菜への深いこだわりと、身体に優しいながらも深い味わいのカレーで、名古屋市千種区の食文化に新たな風を吹き込んだ存在でしたが、現在はその役割を終え、閉店しています。