愛知県名古屋市中区大須に位置する「昔の矢場とん」は、名古屋名物である味噌かつで知られる「矢場とん」の創業当時のコンセプトを再現した店舗です。地下鉄鶴舞線「大須観音駅」2番出口から徒歩約5分と、アクセスしやすい場所にあります。大須観音通り商店街の入り口にあり、活気あふれる大須の街並みに溶け込みながらも、レトロな外観と「ぶーちゃん」の看板が目印となっています。
この店舗は、昭和22年(1947年)の創業当時の「矢場のとんかつ」の雰囲気をコンセプトにして、2020年10月にオープンしました。一般的な「矢場とん」の店舗とは異なり、昔ながらの大衆居酒屋のような趣が特徴です。店内は、宝船に乗った七福神や銭湯を思わせる富士山のモザイクタイル画が壁面に描かれており、ノスタルジーを感じさせる空間が広がっています。年齢や性別、国籍を問わず、誰もがくつろげる気取らない雰囲気が魅力で、2階には4名から30名までの団体利用が可能な広々とした席も用意されています。個室風のソファ席もあり、周囲を気にせず食事を楽しめる空間も提供されています。
メニューは、通常の矢場とんの店舗とは一味違う、創業当時の味にこだわった逸品が中心です。特に、門外不出の秘伝の味噌だれでじっくりと煮込んだ「みそおでん」や、他系列店のとんかつとは異なる独自の衣で揚げた「みそ串かつ」が名物として知られています。みそおでんは、豚角煮、大根、牛すじ、豚もつ、たまごなどの種類があり、特に大根は中まで味噌が染み込み、とろけるような食感が評判です。串かつは、サクサクとした軽やかな衣が特徴で、どて煮のたれに浸して食べるスタイルも推奨されています。定番のロース串かつ(4本)は640円(税込)で提供されています。
その他にも、メンチかつやアジフライ、えびふりゃ~、矢場とんコロッケといった揚げ物、どて煮、ローマイヤーの高級ハム、トマトサラダ、ポテトサラダなどの一品料理も豊富に揃っています。ランチタイムにはお得なセットメニューも提供されており、昼飲みにも利用しやすいのが特徴です。例えば、「とん呑みセット」は、枝豆、おでん三種盛り、串カツ2本に、ハイボールやビールなどお好みのドリンク1杯が付いており、受け継がれてきた味を一度に堪能できます。テイクアウトも一部商品で対応しており、大須での食べ歩きにも最適です。みそ串かつは5本750円、10本1500円、15本2200円(全て税込)で提供されており、持ち帰り用の味噌だれも販売されています。
営業時間は11:00から21:00(ラストオーダー20:30)で、年中無休で営業しています。年末年始も営業しているため、観光客や地元の人々にとって訪れやすい店舗です。総席数は76席あり、比較的ゆったりと過ごせる空間が提供されています。無料Wi-Fiは提供されていません。創業の味と雰囲気を大切にしながらも、現代のニーズに合わせたサービスを提供している「昔の矢場とん」は、名古屋の食文化を深く体験できる場所として親しまれています。