かつて地域住民に親しまれた「ステーキ宮 稲沢店」は、愛知県稲沢市下津下町西2丁目88に位置していました。JR東海道本線稲沢駅から徒歩約11分(約635m)と駅からのアクセスも比較的良好で、また県道190号線「下津」交差点から名古屋方面へ車で約1分の距離にあり、広々とした駐車場も完備されていたため、車での来店にも非常に便利な立地でした。家族での食事や友人との会食など、幅広いシーンで利用されていましたが、残念ながら同店は2024年6月23日をもって営業を終了いたしました。
かつての「ステーキ宮 稲沢店」は、全国に展開するステーキ専門レストラン「ステーキ宮」の一員として、「おいしい、たのしい」をコンセプトに掲げ、安心安全なステーキと手作りのハンバーグを提供していました。特に、創業以来長きにわたり愛され続けてきた秘伝の「宮のたれ」は、その味の決め手として広く知られていました。このたれは、生たまねぎ、おろしにんにく、醤油、酢のみを原材料とし、保存料を一切使用せず、加熱せずに約3週間かけてじっくりと冷蔵熟成させる非加熱製法で作られていました。これにより、素材本来の豊かな風味と旨みが最大限に引き出され、体にやさしいフレッシュな味わいが特徴でした。このこだわりの「宮のたれ」は、熱を加えることでさらに甘みが増すよう、特注の厚みのある鉄板で提供され、鉄板の中央がわずかに膨らんでたれが溜まる工夫が施されるなど、肉とたれの最高の組み合わせを追求する細やかな配慮が見られました。
提供されるメニューは、ジューシーなステーキや肉汁あふれるハンバーグが中心で、様々な部位のステーキやハンバーグを組み合わせたセットメニューも充実していました。ランチタイムは、平日だけでなく土日祝日も利用可能で、日替わりランチなどのお得なメニューは特に人気がありました。少食の方向けのライトミールや、お子様連れでも安心して楽しめるキッズメニューも用意されていたため、幅広い年代の顧客に対応していました。
「ステーキ宮 稲沢店」の大きな特徴の一つに、顧客の食事体験を豊かにする「5つのバー」がありました。中でも特に好評だったのが、季節ごとに内容が入れ替わる4種類のスープが楽しめるスープバーです。こちらは「飲むサラダバー」とも称され、具だくさんで野菜の栄養もしっかり摂れるよう工夫されていました。また、厳選された旬の野菜をサイコロ状にカットし、食べやすさと同時に食感も楽しめるよう配慮されたサラダバーも提供されており、スチームチキンフレークやベジコンニャク、さらにはデザートも揃っていました。その他、厳選された国産米を使用し、おかわり自由のライスバー、そして「宮のたれ」を含む5種類のソースが自由に選べるソースバー、ジュースから豊富なお茶の葉まで揃うドリンクバーがあり、メイン料理と共にこれらのバーメニューを存分に楽しめると、多くの顧客から支持されていました。
店内の空間は、全席禁煙で喫煙ブースが設置されており、広々としていて落ち着いた雰囲気が特徴でした。特にソファ席が多く用意され、ゆったりとくつろぎながら食事を楽しむことができました。大きなボックス席も備えられていたため、一人での利用からグループ、家族連れまで、様々な人数構成に対応できる座席配置でした。個室の提供はありませんでしたが、席間隔が広く確保されていたため、プライベートな空間で食事を楽しむことができました。
来店時には、まず受付システムで人数を入力し発券する形式が導入され、その後の注文はテーブルに設置されたタッチパネルから行うシステムが採用されていました。これにより、スムーズなオーダーとサービス提供が実現されていました。支払いにはクレジットカードも利用可能でした。また、テイクアウトに対応していたほか、Uber Eatsや出前館といったデリバリーサービスも利用できたため、店舗に足を運ばずとも自宅で「ステーキ宮」の味を楽しむことができました。衛生管理にも力が入れられており、お客様が使用するトングやしゃもじ、おたまは、料理が交換されるたびに洗浄・消毒済みのものと交換され、調理台や冷蔵庫の取っ手など、多くの人が触れる箇所は1時間に1回消毒されるなど、お客様に安心・安全な食事を提供するための徹底した配慮が行われていました。地域に根ざし、多くの人々に愛されたレストランでしたが、現在はその歴史に幕を閉じています。