東京都中央区八丁堀に位置する「一膳めし屋 八丁堀 鈴木米店」は、東京メトロ日比谷線およびJR八丁堀駅B1出口からわずか徒歩約1分という、アクセス抜群の立地にある食事処です。このお店は、その名の通り「鈴木米店」という屋号を掲げ、昭和初期からの歴史を持つ米穀店をルーツとしています。かつて戦前からこの地に存在した三軒長屋を丁寧にリノベーションして生まれた店舗は、現代的な快適さと共に、古き良き日本の風情を色濃く残す空間として、訪れる人々に懐かしさと安らぎを提供しています。
お店のコンセプトは、「おいしいごはんがあれば」というシンプルな哲学のもと、「No rice, No life.」を掲げ、米のおいしさを第一に追求しています。かつて米穀商を営んでいた歴史が息づく店内は、使える窓や階段をそのまま残し、古材の蔵戸や障子を取り入れるなど、随所に昔ながらの温かみが感じられる設えです。特に、かつて住んでいた方々が涙するほどに思い出が残された窓や階段は、単なる飲食店としての機能を超え、地域の歴史と記憶を繋ぐ役割も果たしています。温かい明かりが灯る懐かしい雰囲気の中で、まるで自宅にいるかのような心地よさを感じながら食事ができる空間が広がっています。
ランチタイムは午前11時から午後2時までで、定食をメインに提供しています。全ての定食には、こだわりのごはん、味噌汁、漬物が付いており、ごはんは無料で大盛りに変更することも可能です。メニューには、香ばしく焼き上げた鮭の仙台味噌漬け定食、ジューシーな国産若鶏の唐揚げ定食、生姜焼きとお好みフライ定食、まぐろユッケとメンチカツ定食、そして季節の刺身とヒレカツ定食など、バラエティ豊かな選択肢が揃っています。ランチの価格帯は、多くの方が千円前後から千円台で手軽に楽しめる設定となっています。また、テイクアウト用のお弁当も提供しており、本日のお魚弁当、鶏唐揚げ弁当、ハンバーグ弁当などが各700円(税込)で用意され、近隣のオフィスワーカーや住民の食卓を支えています。
ディナータイムは午後5時30分から午後9時まで(ラストオーダーは午後8時20分または午後8時30分)で、昼の定食屋の顔から一転、こだわりの一品料理とお酒が楽しめる居酒屋へと変貌します。冷ややっこや漬物盛り合わせ、赤ウィンナー炒め、ポテトサラダといった「とりあえず」の一品から、旬の刺身盛り合わせ、韓国風まぐろユッケ、豚ロース仙台味噌漬け、アジフライ、ゲソ唐揚げ、ささみチーズフライといった揚げ物まで、酒肴にぴったりの料理が豊富に揃っています。夜の定食として、若鶏の唐揚げ定食や焼魚定食、生姜焼き定食なども提供され、一部の定食にはお刺身が付くこともあります。さらに、予約制で、旬の食材を活かした「おまかせコース」も用意されており、6,600円(税込)で2時間フリードリンク付きの充実した内容を2名から楽しむことができます。ドリンクメニューも充実しており、生ビール、瓶ビール、様々なウイスキー、レモンサワーやすだちサワーなどのチューハイ、芋・麦・米といった各種焼酎、そして純米吟醸や純米大吟醸を含む冷酒、熱燗まで、幅広いラインナップで料理とのペアリングを堪能できます。
座席は1階と2階に分かれており、1階にはカウンター席が設けられ、お一人様でも気軽に利用しやすい雰囲気です。2階は「富士柳の間」と名付けられ、ちゃぶ台と椅子席が混在する、どこか懐かしい昭和の茶の間のような空間が広がっています。和モダンな雰囲気も併せ持つこの空間は、杉材の床が心地よく、ついつい長居してしまうという声も聞かれます。店内は全席禁煙で、貸切利用も可能です。
「一膳めし屋 八丁堀 鈴木米店」の大きな特徴の一つとして、単なる飲食店にとどまらない文化交流の拠点としての側面が挙げられます。2階の「富士柳の間」は、食事ができる空間であると同時に、レンタルスペースとしても活用されています。ここでは、江戸文化に触れることができる特別な体験として、「江戸浮世絵 木版画摺り体験」ワークショップが予約制で開催されており、来店客に日本の伝統文化を学ぶ機会を提供しています。この取り組みは、オーナー夫妻が「江戸文化を多くの人に知ってもらいたい」という想いから始めたもので、お店の歴史的背景と相まって、より深い体験価値を生み出しています。会議や展覧会、宴会など多目的に利用できるこのスペースは、様々なニーズに応える柔軟性も持ち合わせています。
米穀店から受け継がれた「米」へのこだわりと、歴史ある長屋をリノベーションした空間が融合し、八丁堀の地で独自の存在感を放つ「一膳めし屋 八丁堀 鈴木米店」。温かい家庭料理のような定食を求めるランチ利用から、こだわりの酒肴と厳選されたお酒で賑わうディナー、そして文化体験まで、多様な魅力で多くの人々を惹きつけています。