麻布十番の閑静なエリアに佇む「麻布十番 鮨とも」は、都営大江戸線および東京メトロ南北線の麻布十番駅から徒歩3分から6分圏内に位置する隠れ家のような鮨店です。都会の喧騒から一歩足を踏み入れると、洗練された大人の空間が広がります。
この店の鮨を握るのは、銀座、赤坂、六本木、そしてホテルニューオータニといった名だたる場所で長年修行を重ねた熟練の鮨職人、金子氏です。金子氏は毎朝、自ら豊洲市場へと足を運び、その日の最高品質の魚介を厳選しています。仕入れた魚介は、それぞれの持つ特性を最大限に引き出すため、寝かせや脱水など、細やかな手間を惜しまず施されます。特に、魚本来の香りと旬の味わいを大切にし、硬めに炊き上げた赤酢シャリとの一体感を追求することで、口の中で見事な調和を生み出しています。奇をてらわない正統派の握りは、素材そのものの旨味を最大限に引き出し、上品な味わいを追求しています。
「麻布十番 鮨とも」で提供されるのは、厳選された旬の握りとおつまみを含めた「お任せ鮨コース」が中心です。このコースは、およそ20品で構成されており、訪れるたびに異なる季節の恵みを存分に堪能できる内容となっています。コース料金は税込19,800円が基本ですが、ディナーの平均予算としては20,000円から30,000円前後を見込むと良いでしょう。コースには、豊洲市場の著名な仲卸「やま幸」から仕入れる上質な天然国産本マグロの赤身漬け、中トロ、大トロといった王道の握りのほか、鰯やあん肝手巻き、毛蟹など、季節感あふれる一品料理も盛り込まれています。特に、シャリの温度がコースの進行に合わせて細やかに調整されるという、食通をも唸らせる独自の工夫も凝らされており、飽きることなく最後まで鮨の世界に浸れるでしょう。
店内は、白木を基調とした清潔感あふれる空間に、たった6席のカウンター席のみが配された贅沢な造りとなっています。完全予約制であるため、落ち着いた雰囲気の中で、大将の華麗な手捌きを目の前で楽しみながら、握りたての鮨を味わうことができます。ライブ感あふれるカウンター席は、鮨を愛する人々にとって至福のひとときを約束します。個室や座敷、ソファ席といったタイプの席は設けられておらず、純粋に鮨本来の魅力を最大限に引き出すための、研ぎ澄まされた空間設計がなされています。
大将である金子氏は、料理や鮨に関する質問にも気さくに応じる温かい人柄が魅力の一つです。高級な鮨店でありながらも、決して敷居の高さを感じさせず、まるで長年通い詰めた行きつけの鮨屋のような居心地の良さを提供することを目指しています。そのため、一人で訪れても気兼ねなく、心ゆくまで鮨と対話できるでしょう。また、鮨の味わいを一層深めるために、季節ごとに厳選された日本酒や焼酎が豊富に揃えられており、好みに合わせて選ぶ楽しみも提供されています。麻布十番という土地柄にふさわしい上質な鮨体験を求める方々に、ぜひ一度訪れていただきたい一軒です。