JR中央線・総武線、地下鉄メトロ丸の内線の荻窪駅から徒歩わずか数分圏内に位置していた「炭火焼肉 肉バル 荻窪」は、駅チカでありながらも知る人ぞ知る隠れ家のような存在でした。細い階段を上り、のれんをくぐって辿り着く店舗は、訪れる人々に期待感を与えていました。
300軒以上もの肉料理店を食べ歩いてきたという店主が、「焼肉とお酒を気軽に楽しんでほしい」という強い想いを込めて開店したお店として知られていました。単なる焼肉店という枠にとらわれず、訪れる人々にとって「第二の我が家」のような温かく、くつろげる場所でありたいという願いが込められていたといわれています。店内は、どこか昭和の懐かしい雰囲気が漂い、まるで秘密基地に足を踏み入れたかのようなワクワク感が演出されていました。堅苦しいうんちくを抜きにして、炭火で美味しい肉を心ゆくまで堪能できる空間でした。
「美味しいお肉をできる限り安く」というモットーのもと、提供されていた肉は店主自らが部位ごとに厳選して仕入れた上質なものばかりでした。口の中でとろけるようなタン元や、稀少価値の高いミスジ、厚切りながらも驚くほど柔らかく食べ応えのある牛ハツ、甘みが際立つシマチョウ、大ぶりのぼんじり、そしてラム肉特有の臭みがなく食べやすいと評判だったラムランプなど、多彩な部位を七輪の炭火でじっくりと焼き上げ、その奥深い味わいを堪能できました。特製のオリジナル焼肉ダレは、お肉の旨味を最大限に引き立てるあっさりとした味わいが特徴で、従来の濃厚なタレとは一線を画し、多くの来店客に新鮮な驚きを与えていました。リーズナブルな価格設定ながらも、高い満足度が得られるコース料理も用意されており、コストパフォーマンスの高さも魅力の一つでした。焼肉の締めには、絶品と名高かった中華あつもり麺が定番で、独自のタレで楽しむことができました。また、日本酒や焼酎の品揃えも充実しており、こだわりの肉料理との相性も抜群でした。時期によってはクリームチーズなど、お酒のアテにもなるユニークなメニューも提供され、焼肉バルとしての顔も持ち合わせていました。
店内の座席は、様々なシチュエーションに対応できるように工夫が凝らされていました。2階には一人客でも気兼ねなく利用できるテーブル席が配され、少人数での食事や、サクッと一杯楽しむバル使いにも適していました。3階には広々としたお座敷個室と開放的なテラス席が設けられており、グループでの利用や家族連れにも対応していました。お座敷個室は最大10名まで、テラス席は14名程度まで収容でき、会社の宴会や友人との集まりにも最適でした。特に冬場には、温かいこたつ席が用意されることもあり、季節の移ろいを感じながらゆったりと過ごせる空間を提供していました。薪ストーブも設置されており、居心地の良い雰囲気を一層高めていました。
肉の提供においては、注文を受けてから店主が一つ一つ丁寧に肉の部位に合わせた下ごしらえを施し、最も美味しい状態でテーブルに運ばれていました。そのため、客は最高の焼き加減で肉を楽しむことができました。時には店主自らが焼き加減を指南してくれることもあり、そのこだわりを垣間見ることができました。3階のテラス席では喫煙が可能で、愛煙家の方も周囲を気にすることなく食事や会話を楽しむことができました(他の席は禁煙)。週末や祝日など混み合うことが多かったため、事前の電話予約が推奨されており、スムーズな案内が期待されていました。きめ細やかなサービスと、上質な肉を手軽に味わえる点が、幅広い層の来店客に人気の店舗でした。