東京都世田谷区奥沢5丁目42-3に位置していた「yaoyano jiyugaoka」は、2025年4月26日(土)をもって閉店しました。かつて自由が丘の複合施設「トレインチ自由が丘」の1階に店舗を構えていたこのお店は、東急東横線および大井町線の自由が丘駅南口から徒歩1分から2分という非常にアクセスしやすい立地でした。また、東急大井町線の九品仏駅や東急目黒線の奥沢駅からも徒歩圏内ではありましたが、自由が丘駅からの利便性が際立っていました。
「yaoyano jiyugaoka」は、「八百屋さんが手がける揚げたてコロッケ専門店」という独自のコンセプトで注目を集めていました。「肉屋のコロッケがあるなら、八百屋のコロッケがあってもいいじゃないか」という発想から誕生したこの店舗は、2013年に三軒茶屋でオープンした八百屋「三茶ファーム」が手掛ける食の探求の一環でした。「育てた人と食べる人のあいだにある、あともうひと手間を担う場所」というコンセプトのもと、新鮮な野菜の魅力をコロッケという形で提供していました。店内はグリーンとオレンジのビタミンカラーを基調としたポップで明るい雰囲気が特徴で、壁面には野菜の繊維質を思わせる木パネルが配され、温かみのある空間を演出していました。また、店内の一角では、三茶ファームから直送される旬の野菜や果物が販売されており、コロッケの購入と合わせて新鮮な食材を手に入れることができました。
提供されていたメニューの中心は、こだわり野菜をたっぷり使用した揚げたてのコロッケでした。定番の「きほんのじゃがいも」や「とうもろこしクリーム」に加え、季節ごとに変わる限定コロッケも人気でした。例えば、「幻の栗マロンかぼちゃ」や「極み玉ねぎメンチ」、「発酵バターの鳴門金時クリーム」、「アスパラベーコンクリーム」、「梅しそメンチ」、「こだわり素材の紫いも」など、多様な種類のコロッケが訪れる人々を魅了しました。ランチタイムには、コロッケを主役にしたプレートメニューが提供され、「やおやのランチ:コロッケプレート」では、「きほんのじゃがいも」と好みのコロッケ1個、さらにデリ4種とライスがセットになっていました。コロッケ1個を選ぶ「コロッケプレート(ライト)」も選択肢にあり、その他にも「コロッケ&ベジカレー」や「コロッケサンドセット」といったメニューも揃っていました。コロッケプレートの価格は、税抜1,091円、税込1,200円前後で提供されていました。単品のコロッケは税込210円から410円程度の価格帯でした。
ドリンクメニューでは、コロッケとの相性を追求し、15種類以上のスパイスやフルーツを配合して独自にブレンドされた「やおやのクラフトコーラ」が看板商品でした。テイクアウトは540円、店内飲食では550円で提供されていました。その他、ほうれん草やビーツをベースにした栄養満点のやさいスムージー(グリーン/ピンク)、コーヒー、カフェラテ、有機りんごジュース、有機みかんジュース、ウーロン茶など、幅広いラインナップがありました。また、クラフトビールとして「よなよなエール」も楽しむことができ、コロッケとのペアリングも提案されていました。
店内の総席数は5席とコンパクトでしたが、イートインスペースが設けられていました。個室や座敷、掘りごたつ、カウンター席、ソファ席は設置されていませんでした。しかし、屋外にはテラス席やベンチ席が用意されており、天気の良い日には外で食事を楽しむこともでき、食べ歩きやちょっとした休憩にも適した空間でした。
特別なサービスとして、揚げたてのコロッケを店頭で手軽にテイクアウトできる点が挙げられます。また、店内では複数のソースが用意されており、来店客は好みに合わせてコロッケにかけることができました。注文はモバイルオーダーシステムが導入されており、非接触型決済も可能であったため、スムーズな利用ができました。
「yaoyano jiyugaoka」は、八百屋ならではの視点で野菜の美味しさを再発見できるコロッケを通じて、多くの人々に新しい食体験を提供していました。そのユニークなコンセプトと、自由が丘という立地で気軽に立ち寄れるスタイルは、地元住民だけでなく、自由が丘を訪れる人々にも愛されていました。