東京都渋谷区神南に位置していた「swrl. wine cocktail & kitchen」は、世界でも珍しいワインカクテルと洗練された中南米料理のマリアージュを提案するレストランバーでした。渋谷駅からは徒歩およそ8分から9分ほどの距離にあり、神南エリアのおしゃれな雰囲気に溶け込む立地でした。店の名前である「swrl.(スワァル)」は、ワインをテイスティングする際に行われる「スワリング」に由来しており、ワインとカクテルを融合させるというユニークなコンセプトを象徴していました。
このお店の大きな特徴は、バー業界で世界的に知られるSG Groupが手掛け、カクテル、ワイン、料理それぞれの分野のスペシャリストたちがコラボレーションしていた点にあります。カクテルは、世界的なバーテンダーである後閑信吾氏が考案し、それぞれのカクテルに世界の都市名が付けられ、その都市をインスピレーションとした味わいが表現されていました。そこに、国内外で活躍するソムリエの大越基裕氏が選定したワインを合わせることで、オーダーごとにバーテンダーが「スワリング」して一杯を完成させるという、他に類を見ない提供スタイルがとられていました。
料理は、ニューヨークの三つ星レストラン「Jean-Georges」で日本人初のスーシェフを務めた経験を持ち、肉料理やヴィーガン料理のスペシャリストとしても知られる米澤文雄氏が監修していました。ラテンアメリカ料理をベースとしており、中南米各国の本格的な郷土料理や、米澤シェフのシグネチャーメニューの一つであるローストカリフラワーなどが提供されていました。これらの料理は、ワインカクテルとのペアリングを一層楽しめるように考えられており、コースだけでなくアラカルトでも注文が可能でした。コースメニューの一例としては、ワカモレフムス、鯵のセビーチェと焼きなす、タコス、ローストカリフラワー、若鶏のバロティーヌ モレソース、デザートなどが含まれる7コースがあり、ワインカクテルペアリングやノンアルコールペアリングを付けることもできました。
店内の空間は、ニューヨークのブルックリンをイメージしたデザインが特徴で、ヴィンテージ感のあるウッドフロアにゆったりと席が配置され、中央にはバーカウンターが配されていました。席数は51席あり、個室はありませんでしたが、貸切での利用も可能でした(20人から50人程度)。全席禁煙でしたが、隣接する系列店舗の喫煙スペースを利用することができました。無料Wi-Fiも完備されており、ライブ演奏などのイベントが開催されることもありました。
かつて提供されていた特別なサービスとしては、誕生日などのメッセージプレートに対応していました(有料)。また、当初は金曜日と土曜日限定で、ディナータイム終了後にレイトナイト営業も行われる予定でした。日曜日にはランチ営業も行っており、お子様連れでの利用も可能で、キッズメニューも用意されていました。
残念ながら、「swrl. wine cocktail & kitchen」は、2023年7月をもってテナントの都合により閉店しています。現在、この場所で営業は行われていません。