かつて東京都目黒区上目黒2-43-10 1階に位置していた「トラットリア クアトロ ラガッツィ」は、残念ながら2023年9月をもって閉店したと考えられます。中目黒駅および祐天寺駅からは徒歩6分から7分程度の場所にあり、東急東横線と東京メトロ日比谷線が利用可能なアクセスの良い立地でした。目黒銀座商店街の奥にひっそりと佇む隠れ家のような雰囲気を持つイタリアンレストランとして知られていました。
店名である「クアトロ ラガッツィ」はイタリア語で「4人の少年」を意味し、戦国時代にイタリアへ渡った天正遣欧少年使節団に由来しています。これは、日本とイタリアの橋渡しになりたいというシェフの思いが込められたものでした。店内は木の温もりを感じられる落ち着いた空間で、非日常を忘れさせてくれる心地よさがあったとされています。特に印象的だったのは、航海のロマンを感じさせる世界地図の壁画で、来店客の目を楽しませていました。テーブル席のほか、シェフとの会話も楽しめるカウンター席もあり、お一人様でも気軽に立ち寄れる雰囲気でした。カウンター席には一枚板の立派な木が使われており、こだわりの空間が演出されていました。テーブル席はレイアウトの変更も可能で、様々なシーンに対応できたようです。また、店内には半個室のような空間も設けられており、落ち着いて食事を楽しみたい方に配慮されていました。個室自体は完備されていませんでしたが、最大20名程度までの貸切利用も可能で、各種宴会やパーティーにも対応していました。
提供されていたのは、本場イタリアで修行経験を持つシェフによる、新鮮な食材を活かしたイタリア各地の郷土料理でした。パスタはもちろんのこと、前菜やメイン料理も豊富に取り揃えられており、訪れる度に異なるメニューを味わう楽しみがありました。自家製の手打ちパスタも自慢の一つで、乾麺とは一味違うもっちりとした食感とソースとの絡みが好評でした。メニューには、季節の前菜盛り合わせやトリッパのトマト煮込みグラタン、沖縄産ロイヤルポークのポルケッタ、仔羊のローストといった肉料理、魚介のジェノベーゼ タリアテッレ、ぺスカトーラ リングイネ、牛肉のラグーのキタッラなどのパスタ、ピスタチオのティラミスやカタラーナといったドルチェなどがありました。価格帯としては、ランチは1,000円台から、ディナーは4,000円から5,000円程度の予算で利用できる、中目黒エリアでは比較的リーズナブルに本格イタリアンを楽しめるお店だったようです。ランチセットには、パスタにサラダ、パン、ドリンクが付くものや、前菜、パスタ、デザート、カフェが付くコース、さらに肉料理も加わるコースなど、数種類が用意されていました。
ドリンクメニューも充実しており、ソムリエ資格を持つシェフが厳選したイタリアワインを中心に、ビールやカクテルなども提供されていました。お料理とのペアリングを楽しみに来店するワイン愛好家もいたようです。
特別なサービスとしては、貸切利用時の飲み放題付きコースや、誕生日や記念日のお祝い、サプライズへの対応も可能でした。また、一部の情報ではドリンクの持ち込みも可能であったことや、英語のメニューも用意されていたことが示唆されています。落ち着いた雰囲気の中で、友人や家族との食事、デート、女子会など、様々なシーンで利用されていました。かつて中目黒で本格的なイタリアンを気軽に楽しめるお店として、多くの人に愛されていたトラットリアでした。