東京都目黒区自由が丘に位置していた冷麺専門店「冷麺ダイニングつるしこ 自由が丘店」は、東急東横線および東急目黒線の自由が丘駅から徒歩およそ5分から7分圏内、樋口ビル1階に店舗を構えていました。駅からのアクセスも比較的良好で、多くの人が訪れていました。
盛岡冷麺をルーツとする「冷麺ダイニングつるしこ」は、日本において冷麺を専門店として提供する先駆けの一つであり、自由が丘店はその支店として営業していました。単なる伝統的な冷麺に留まらず、「東京冷麺」という独自のスタイルを提唱し、冷麺の新しい可能性を追求することをコンセプトとしていました。その根幹をなすのは、岩手県岩泉町の日本名水百選に選ばれた清らかな水で作られるこだわりのスープと、国産小麦粉に北海道産の馬鈴薯でんぷんを配合して作られる自家製生麺です。この麺は、独特の弾力とつるりとした喉ごしが特徴で、「つるしこ」という店名にもその食感が表現されています。また、全てのメニューで化学調味料を使用せず、体に優しい一杯を提供することにも重点を置いていました。ヴィーガンに対応したメニューが豊富に用意されていたことも特筆すべき点です。
提供されていたメニューは非常にバリエーション豊かでした。定番の盛岡冷麺は、牛骨から取られた出汁と特製の醤油だれが調和した、深みのある味わいが特徴でした。一方、「東京冷麺」シリーズでは、トマトバジル冷麺、アボカド冷麺、カレー冷麺、特濃豆乳冷麺、ベジタブルスープ冷麺、爽やかトマト冷麺など、ユニークな組み合わせの冷麺が楽しめました。例えば、トマトバジル冷麺はドライ&フレッシュトマトとバジルの爽やかな風味が、アボカド冷麺はクリーミーなアボカドとチーズ風豆腐クリームが特徴で、女性を中心に人気を博していました。ヴィーガン向けの盛岡冷麺も提供されており、植物性食材のみで作られたスープでありながら満足感のある一杯でした。冷たい麺だけでなく、温麺も人気があり、牛スープ温めん、トマトバジル温めん、カレー温めん、ピリ辛メンマ温めん、きのこ温めん、汁なしゴマ味噌温めんなどがありました。特に汁なしゴマ味噌温めんは、発酵食品である豆味噌とゴマ油の風味が特徴でした。これらの麺類に加え、有機栽培玄米を使用した玄米ごはんや、カオマンガイ風チキン、ソイカラ、彩り野菜といったサイドメニューも充実しており、麺の大盛りや追加キムチ、納豆、メンマなどのトッピングで自分好みにアレンジすることも可能でした。メニューの価格帯は、多くの口コミで1,000円台とされており、気軽に様々な種類の冷麺や温麺を試すことができました。
店内の空間は、ホワイトを基調とした明るく清潔感のあるデザインで、まるでカフェのような落ち着いた雰囲気が漂っていました。座席はカウンター席が6席と、2名掛けのテーブル席が5卓配置されており、合計で16席程度の規模でした。賑やかな自由が丘にあって、ゆったりと食事を楽しめる空間でした。個室やソファ席は確認できませんでした。
店舗では、多様なサービスが提供されていました。ほぼ全てのメニューでテイクアウトが可能で、自宅や外出先でもつるしこの味を楽しむことができました。また、ウーバーイーツやチャンピーなどのデリバリーサービスにも対応しており、指定の場所へ温かい状態または冷たい状態で届けてもらうこともできました。さらに、店舗に直接来店して購入できるお持ち帰り用の商品に加え、オンラインショップでも自宅で調理できる冷麺や温麺のセットが販売されており、全国どこからでもつるしこの味を取り寄せることが可能でした。アレルギーを持つ顧客への配慮として、メニューには卵、乳、大豆などのアレルゲンが表示されていました。
惜しまれつつも、冷麺ダイニングつるしこ自由が丘店は、2024年1月21日をもってその営業を終了いたしました。体に優しい無化調のスープと、つるつるとした独特の食感を持つ自家製麺、そしてバラエティ豊かなメニューは、多くの冷麺ファンや健康志向の顧客から支持されていました。店舗での営業は終了しましたが、オンラインショップでは引き続き商品を購入することができるようです。