東京都台東区上野に位置する「老酒舗」は、JR御徒町駅南口から徒歩約2分というアクセスしやすい場所にあります。JR線の高架下に佇むこの店は、東京メトロ日比谷線仲御徒町駅や都営大江戸線上野御徒町駅からも徒歩数分圏内です。
この店のコンセプトは、かつて1980年代頃に北京の路地裏に数多く存在したという、大衆的で飾り気のない酒場を再現することにあります。中国でも見かけなくなったというオーナーの思い出にある店を基に、さらにアレンジを加えているのが特徴です。そのため、店内には異国情緒あふれる、まるで現地の古い酒場に迷い込んだかのような独特の雰囲気が漂います。壁には中国語のメニューが貼られ、飛び交う中国語も相まって、より一層その場の雰囲気を感じられます。この店のもう一つの大切なテーマは、オーナーのお母様が作っていたような、昔ながらの家庭的な中国料理、特に中国東北地方の郷土料理を提供することです。素材や調理法にこだわり、本場さながらの味わいをリーズナブルな価格で提供しています。
メニューは非常に豊富で、約80種類もの料理が用意されています。名物となっているのは、少しずつ様々な種類を楽しめる小皿で提供される老北京料理です。具体的なメニューとしては、しっかり発酵させた白菜やきゅうりの漬物を炒めた料理、厨房で麺点師が手作りする水餃子や肉まん、自家製のドラム缶オーブンで焼き上げる本格的な叉焼や烤雞(焼き丸鶏)などがあります。また、麻辣燙(麻辣串)や、じゃがいもの細切り炒め、香菜の漬物と豚バラの土鍋煮込み、羊肉の揚げ餃子、蒸し鶏の塩ねぎ風味、砂肝とハツの炒め物、そして1個から注文できる豚角煮など、多岐にわたる料理を楽しむことができます。これらの料理は、日本の一般的な中華料理店とは一味違う、現地の味わいを求める人々を惹きつけています。
老酒舗は、朝早くからの営業も行っており、7時から10時まで(土日祝は11時まで)朝食メニューを提供しています。朝食セットは500円以下の価格帯で用意されており、中国で定番の揚げパンや白粥、肉まん、ワンタンなどを気軽に楽しむことができます。昼の時間帯はランチとして、また午後の早い時間から夜にかけては居酒屋として利用でき、ランチの平均予算は1000円程度、ディナーは3000円程度でお腹を満たせるという口コミも見られます。
ドリンクメニューも充実しており、特に注目すべきは名物となっている紹興酒の飲み放題です。1名あたり1時間1000円という価格で提供されており、中には紹興酒が蛇口から出てくるような趣向が凝らされているという情報も見られます。他にも、中国酒はもちろんのこと、自然派ワインにもこだわり、ワインも豊富に用意されています。お通し代として別途300円(税別)がかかります。
店内は1階と2階があり、総席数は70席です。大衆酒場の雰囲気を再現しているため、個室や座敷、掘りごたつ、カウンター席、ソファ席といった特定のタイプの座席は設けられていません。しかし、20人から50人程度の貸切に対応することも可能です。店内は全席禁煙となっています。
特別なサービスとしては、豊富なメニューを自宅でも楽しめるテイクアウトを実施しています。また、小さなお子さん連れでも利用しやすく、乳児や未就学児、小学生の入店も可能で、ベビーカーでの入店も受け入れています。支払方法としては、PayPayを利用することも可能です。メニューの中には「呑兵衛の玉手箱」といった、どのような内容か気になる特別な一品も存在し、訪れるたびに新しい発見があるかもしれません。活気あふれる店内で、本場の雰囲気とともに中国東北地方の家庭的な料理やお酒を気軽に楽しめる一軒です。