JR中央線・総武線、東京メトロ東西線の阿佐ヶ谷駅東口より徒歩約6分の場所に位置する「二代目 げんこつ屋 阿佐ヶ谷北口店」。中杉通り沿いにある木を多用した店構えと、「げんこつ」を表す顔のトレードマークが描かれた白い暖簾が目印です。店内は明るく清潔感があり、席は厨房を囲むL字型のカウンター席が10席と、2人掛けのテーブル席が2卓の計14席が設けられています。水は券売機横のウォーターサーバーからのセルフサービスとなっています。
創業者の関川清氏が1980年に新高円寺で開業した「名代らーめん げんこつ屋」を、息子の関川匤仁氏が二代目として継承したお店です。初代のげんこつ屋は、高級料亭で使われるまぐろ節を贅沢に使用した無化調のWスープと、カウンターに調味料を置かないスタイルで人気を博し、最盛期には新横浜ラーメン博物館にも出店、支店数も17店まで拡大しましたが、2007年に惜しまれつつ閉店しました。二代目げんこつ屋は、父の「げんこつで握りしめた大切なものを次世代に伝えていきたい」という想いを引き継ぎ、成城学園前店に続く2店舗目として阿佐ヶ谷にオープンしました。かつて阿佐ヶ谷には北口店と南口店の2店舗がありましたが、2023年7月17日をもって北口店は閉店し、南口店に統合されています。
メニューは、初代から引き継がれる「げんこつらーめん」を中心に、醤油と塩のスープが選べます。げんこつらーめん(醤油)は850円、げんこつしおらーめんが870円です。その他、わんたんめん(醤油950円、しお970円)、しょうが(950円)、豪快らーめん(醤油1100円、しお1120円)、香油らーめん(醤油1100円、しお1120円)、ちゃーしゅーめん(醤油1200円、しお1220円)などがあります。トッピングには、るーたん(煮卵)、のり、メンマ、ネギが各100円、ちゃーしゅうが200円で追加できます。ご飯ものは、ごはん(50円)、ちゃーしゅうごはん(300円)、自家製ぎょうざ(2個400円)などがあります。過去にはごまだれつけめん(1000円)、涼めん(1200円)、たんたんめん(1200円)、季節の野菜のせしお(1100円)といった限定メニューも提供されていました。
げんこつ屋のスープは、豚骨・豚足・鶏ガラ・野菜から取った白湯スープと、マグロ節と利尻昆布を合わせた和風出汁をブレンドしたWスープが特徴です。このダブルスープは、創業者の関川氏が研究を重ねて生み出した「料理としてのスープ」と称されています。醤油スープはあっさりとしていながらもコクがあり、塩スープは尖りのない穏やかな塩味に白湯のコクと背脂の甘みが溶け出し、まぐろ節や昆布の旨味が加わったバランスの取れた味わいです。麺は自家製の中太ストレート麺で、かんすいを控えめにした多加水麺はツルツルとして喉越しが良く、スープとの馴染みも良いのが特徴です。具材はチャーシュー、のり、メンマ、ネギとシンプルですが、バランスが良いとされています。チャーシューは部位が使用されており、噛むほどに肉の旨味を感じられます。また、大きめの自家製ぎょうざも人気の一品です。卓上にはGABANのブラックペッパーが置かれています。