東急池上線荏原中延駅の改札を出てすぐ右手、徒歩わずか10秒から1分という至近に位置していた「日本酒専門酒場 かもすや酒店 荏原中延駅前店」。国見ビルの2階にあり、1階のラーメン店を目印に階段を上がるとたどり着く隠れ家のような空間でした。都営浅草線中延駅からも徒歩6〜7分圏内にあり、複数の路線からアクセスしやすい立地でした。
この店の最大の特長は、日本酒への深いこだわりです。北は北海道から南は沖縄まで、全国47都道府県から厳選された80種類以上、時には100種類を超えるとも言われた豊富な日本酒を取り揃え、日本酒好きにとってはまさに聖地のような場所として知られていました。利き酒師が選んだ銘柄が並び、独自のネットワークで希少な一本に出会えることもありました。日本酒は店内に並ぶ一升瓶を冷蔵庫から自分で選び、席に持ってきて注ぐというスタイルも特徴的で、様々な銘柄を気軽に飲み比べることができました。日本酒の魅力を多くの人に伝えることをコンセプトの一つとしており、若い世代にも日本酒を楽しんでもらえるような雰囲気作りがされていました。また、「絆」をコンセプトに掲げ、客同士の交流を促す試みも行われていた時期もありました。
日本酒と共に楽しむ料理は、旬の食材を活かした創作和食が中心でした。毎日築地(現:豊洲)から仕入れられる鮮魚を使った刺身や、日本酒によく合うよう工夫された肴が豊富に提供されていました。卓上で仕上げる炙り焼きや煮込み料理も人気で、特に九州や会津から直送される馬肉を使った多彩な料理は店の名物の一つでした。メニューにはお刺身盛り合わせ(2人前 2,180円)、アジのレアフライ(420円)、牛スジ塩煮込み(480円)、ハマグリあおさ酒蒸し(880円)などがあり、〆には稲庭うどんなども用意されていました。予算はディナータイムで4,000円から4,999円程度でした。
特に人気だったのは、店のほぼ全ての日本酒が対象となる飲み放題付きのコースです。時間制限はありましたが、豊富な種類の日本酒を心ゆくまで堪能できると好評でした。過去には蔵元を招いたイベント「蔵元會」も定期的に開催され、特定の蔵元の日本酒とそれに合わせた料理を楽しむ特別な機会も提供されていました。
店内は全46席を有し、様々なシーンに対応できる多様な座席が設けられていました。カウンター席(6席)は一人でも気軽に立ち寄れる雰囲気で、テーブル席(32席)は友人やグループでの利用に適していました。8席の半個室もあり、こちらは予約することで利用でき、落ち着いた空間で食事を楽しむことができました。カップルシートやソファー席も完備されており、ゆったりと過ごせる配慮がありました。店内全体の雰囲気は、蔵をイメージした黒と茶を基調とした落ち着いたおしゃれな空間でした。最大50名までの着席が可能で、20名から50名程度での貸切利用も相談できました。
その他、無料Wi-Fiや電源の利用が可能で、スポーツ観戦やプロジェクターも備わっており、様々な用途での利用が想定されていました。お子様連れも歓迎しており、乳児や未就学児、小学生の入店が可能で、ベビーカーでの入店も対応していました。
日本酒の豊富な品揃えとそれに合う創作和食、そして利用しやすい多様な席が魅力の店舗でした。