東京都港区南青山に位置していた「リストランテ アカーチェ」は、2023年10月15日をもってその28年間の歴史に幕を下ろしました。南青山4丁目のアルテカ・ベルテプラザ地下1階にあり、地下鉄銀座線の外苑前駅からは徒歩約6分、東京メトロ千代田線の乃木坂駅からは徒歩約7分、同じく地下鉄銀座線の青山一丁目駅からも徒歩約10分程度の場所に位置していました。
オーナーシェフである奥村忠士氏が腕を振るうこのリストランテは、現地イタリアの伝統に忠実なイタリアンを提供することをコンセプトとしていました。イタリア各州で学んだ郷土料理をベースにした料理が特徴で、多くの食通に知られる存在でした。料理だけでなく、ソムリエである奥様による温かくさりげないサービスも、訪れる人々に好評を博していました。時にはシェフ自らがテーブルを訪れ、料理の説明をすることもあり、シェフの顔が見える店としても親しまれていました。
店内は落ち着いた上品な雰囲気で、ベージュとライトブラウンを基調としたモダンかつシンプルな空間でした。席数は過去の情報では18席とされた時期もありました。座席はテーブル席の他、個室も完備しており、4名用と6名用の個室があったようです。プライベートな空間で食事を楽しみたい場合や、接待、会食などにも利用されていました。ダイニングルームの壁一面にはベンチシートが配された席もありました。
提供される料理はコースが中心でした。時期によってコースの内容や価格に変更があったようですが、前菜数品、パスタ、メイン料理、デザートといった構成が基本でした。過去の提供メニューとして、フォアグラのソテー イチジクのソース、カラスミのスパゲッティー、自家製ピッチのトマトソース、トリッパの煮込みなどが口コミなどで言及されています。価格帯については、ディナーは1万円台、ランチはそれよりも抑えられた価格で提供されていた時期があったようです。ソムリエである奥様が料理に合わせたワインを選んでくれるサービスも、この店の魅力の一つでした。
1996年のオープン以来、約28年にわたり南青山の地で愛されてきたリストランテ アカーチェですが、惜しまれつつ閉店となりました。長年にわたり培われたイタリアの伝統に基づいた料理と、温かいおもてなしは、多くの人々の記憶に残ることでしょう。