東京メトロ丸の内線・銀座線・日比谷線の銀座駅C2出口より徒歩約5分、また新橋駅からも徒歩圏内というアクセス便利な立地に佇む「リトルスミス」は、1993年にこの銀座の地に開業したオーセンティックバーです。銀座六丁目の喧騒から一歩離れ、ビルの地下2階へと続く重厚な扉を開けると、そこにはまるで別世界のような、独創的で芸術的な空間が広がります。この空間は、新国立劇場なども手がけた建築家、故・柳澤孝彦氏によって設計されたもので、「洞窟のよう」とも評される唯一無二のデザインが特徴です。地下にありながらも約4メートルの高い天井が開放感をもたらし、バックバーを中心としたシンメトリーの配置が心地よい調和を生み出しています。
店内の中心には、全長20メートルにも及ぶ無垢材の大きな馬蹄形(だ円形)のカウンターが配されており、このカウンター席が約25席用意されています。木工家具の巨匠、故・ジョージ・ナカシマ氏の理念と技術を継承する桜製作所が手がけたというカウンターは、木の温もりと職人の手仕事が感じられ、ゆったりと落ち着いた時間を過ごすのに最適です。席についてまず提供されるのは、日本を代表するバーテンダーの一人、毛利隆雄氏が考案したという温かいコンソメスープ。これは、来店したゲストが一息つき、胃腸を守るためのおもてなしとして提供されており、創業以来続くサービスの一つです。また、お通しとして新鮮な野菜スティックが提供されるのも、嬉しい心遣いです。店内は喫煙可能となっています。
「リトルスミス」のもう一つの大きな特徴は、そこで腕を振るうバーテンダーたちの高い技術力です。世界大会や日本国内のカクテルコンペティションで優勝者を輩出するなど、その技術は国内外で高く評価されています。ドリンクメニューは敢えて用意されておらず、ゲストはバーテンダーに好みの味やその日の気分を伝え、自分だけの一杯をオーダーするスタイルです。バーテンダーはゲストとのコミュニケーションを大切にしながら、最適なカクテルを作り上げてくれます。定番の王道マティーニはもちろん、世界大会優勝カクテルの「シャイニングブルーム」や、旬のフルーツをその場で丁寧に仕込んで作る季節のフレッシュフルーツカクテル(イチゴとシャンパンのカクテルやフルーツトマトのマティーニなど)も人気です。ウイスキーの種類も豊富で、スコッチ、バーボン、ジャパニーズと揃い、中にはリトルスミス用にミニ樽で熟成させた余市ノンエイジといった特別な一杯も楽しめます。また、グラスを冷蔵庫で冷やさず、提供直前に氷で冷やすという細部へのこだわりも、バーテンダーの技術とホスピタリティの表れと言えるでしょう。
ドリンクだけでなく、フードメニューも充実しています。軽いおつまみからしっかりと楽しめるものまで用意されており、ミックスナッツ(880円)、自家製レーズンバター(1,320円)、ほうれん草のサラダ(1,320円)、生ハムとサラミとペッパーハム盛り合わせ(1,650円)といった軽食から、ピザマルゲリータ(1,600円)、スパイシータコライス リトルスミス風といった食事メニューまで揃います。自家製生チョコレート3種(1,320円)、ドライフルーツの盛り合わせ(1,320円)、ビーフジャーキー(1,320円)なども用意されており、様々なニーズに対応しています。特に自家製レーズンバターや、タコライスは口コミでも評判となることがあります。平均予算は6000円程度で、別途チャージ料として1500円または1650円がかかります。
開業から30年以上の歴史を持つ「リトルスミス」は、洗練された空間デザイン、世界レベルの技術を持つバーテンダー、そして温かいコンソメスープや野菜スティックに代表されるゲストへの細やかな配慮とおもてなしによって、多くの人々に愛され続けています。一人で静かにグラスを傾ける時間、大切な人と語らいながら過ごす時間、デートの締めくくりにふさわしいロマンチックな時間など、様々なシーンで上質なひとときを過ごせる、まさに大人の隠れ家と呼ぶにふさわしいバーです。