JR神田駅からほど近い、東京都千代田区鍛冶町に位置する「喜久むら」は、神田の地で長年にわたり愛されてきた和食店です。かつて御茶ノ水で60年の歴史を重ねた後、この神田に移転してからも20年以上の暖簾を守り続けており、80年以上の伝統を受け継ぐ老舗として知られています。ビルの地下にひっそりと佇む隠れ家のような空間でありながらも、敷居の高さを感じさせないアットホームな雰囲気が魅力です。店内は和の趣がありつつも明るい色調で整えられ、落ち着いてゆっくりと食事の時間を過ごせる空間となっています。
提供される料理は、日本の四季の恵みをふんだんに使用した本格的な和食や懐石料理です。伝統的な技法を大切にしながらも、新しい試みを取り入れた料理を提供しており、中でも「和牛懐石」は多くの食通を惹きつけています。使用する和牛は、宮崎県の畜産農家から直接仕入れるこだわりの宮崎牛です。ただ単に和牛を提供するだけでなく、ももはたたき、サーロインは牛カツや炙り焼、肩ロースはしゃぶしゃぶやすき焼き、特上牛の御重、バラはとろとろの牛角煮や赤ワイン煮込みといったように、それぞれの部位が持つ最高の特徴を引き出すための調理法で提供されています。これらの和牛料理は、今までにない新しい懐石料理として多くの支持を集めています。
和牛懐石以外にも、昔ながらの懐石料理や割烹料理を気軽に楽しめるのも「喜久むら」の大きな特徴です。旬の素材を活かしたお造りや、じっくりと丁寧に仕上げられた煮魚、素材の旨味を堪能できる鍋料理などが自慢として挙げられます。ランチタイムには手頃な価格で本格的な和食を味わうことができ、普段使いにも最適です。ディナータイムには、アラカルトはもちろん、特別な席にふさわしい高級懐石コースも用意されており、様々なシーンで利用することができます。ランチの予算は1,000円以下から、ディナーは5,000円から10,000円程度の価格帯で楽しめるとされています。
座席は、お一人様でも気軽に利用できるカウンター席、ゆったりと寛げる小上がりのお座敷、テーブル席が設けられており、総席数は30席から36席程度です。個室に関する情報には複数の記載が見られますが、御簾で仕切ることで半個室のように利用できる席や、人気の完全個室があるという情報も見られます。掘りごたつやテーブルタイプの席もあり、利用シーンや人数に合わせて最適な空間を提供できるよう配慮されています。
お客様へのおもてなしにも力が入れられています。お客様一人一人のお酒や料理の好みを細やかに把握し、その人に合わせた最適な料理やお酒を勧めるといった、老舗ならではの温かくきめ細やかなサービスが「喜久むら」を支えています。料理と共に楽しむお酒についてもこだわりがあり、厳選された日本酒やワインが用意されています。錫やグラスなど、酒器にもこだわりが見られます。また、カードでの決済に対応しているほか、一部テイクアウト可能なメニューもあるようです。
神田の喧騒から少し離れた地下空間で、伝統を受け継ぎながらも新しい感性を取り入れた和食と和牛懐石を、心温まるおもてなしと共に堪能できる「喜久むら」。様々なシーンで利用できる懐の深さも持ち合わせており、特別な日から日常の食事まで、幅広いニーズに応えてくれる一軒と言えるでしょう。