東京都港区西麻布に位置していた「鉄板焼 馨(かおる)」は、西麻布交差点からほど近い路地裏に佇む、大人のための隠れ家のような鉄板焼き店でした。最寄りの駅からは、地下鉄日比谷線の広尾駅から徒歩約8分から10分、地下鉄日比谷線および都営大江戸線の六本木駅からは徒歩約12分から15分程度でアクセスが可能で、マンションの地下1階という隠れた立地が非日常的な空間を演出していました。静寂に包まれた店内は、都会の喧騒から離れて落ち着いた時間を過ごせるように配慮された空間でした。
この店のコンセプトは、厳選された最高級の食材を、熟練のシェフが目の前の鉄板で調理し、五感で楽しむ極上の鉄板焼きを提供することでした。選び抜かれた和牛はもちろんのこと、水槽から取り出して調理される新鮮な伊勢海老や黒鮑といった高級魚介類も取り扱っており、素材本来の味を最大限に引き出すことにこだわっていました。料理に合わせて用意されていた豊富なドリンクメニューの中でも、100種類以上を取り揃えていたワインは特に評判で、ソムリエが料理との最適なペアリングを提案し、食事の体験をより一層豊かなものにしていました。また、料理の味を引き立てるために、沖縄県粟国島の塩をベースにした12種類にも及ぶオリジナルの合わせ塩が用意されていたのも特徴の一つでした。
提供されていたメニューは、複数のコース料理とアラカルトで構成されていました。コースは「栞」「霞」「響」「雅」「馨」といった多様な価格帯が設定されており、おおよそ13,200円から26,400円(税込)の範囲でした。コース内容には、季節の先付けに始まり、いくらの醤油漬け、名物の生雲丹の酒蒸し(追加料金でフォアグラソテーへの変更も可能)、活鮑や活伊勢海老、そして厳選されたブランド和牛のフィレやサーロインなどが含まれていました。〆の食事としては、「馨風」と呼ばれる特製のガーリックライスが提供され、そのままはもちろん、出汁をかけてお茶漬けとしても楽しめる工夫がされていました。アラカルトメニューでは、アオリイカや帆立、旬の鮮魚、タラバガニなどの魚介や、シャトーブリアンを含む様々な部位の和牛を選ぶことができ、自身の好みに合わせたオーダーが可能でした。
店内の座席は総席数がおよそ16席で、メインとなる鉄板を囲むカウンター席(2名から8名用)では、シェフの華麗な調理パフォーマンスを間近で見ながら食事ができました。さらに、接待や家族での特別な会食に最適なVIP個室(3名から5名用)も完備されており、こちらでは専属のシェフが付き、ゲストのためだけに腕を振るう特別な空間が提供されていました。
特別なサービスとしては、記念日での利用に際して、乾杯用のシャンパンサービスやメッセージを添えたデザートプレートが用意されるプランがありました。このような細やかな心配りが、誕生日や結婚記念日といった大切な日のディナーの場として多く選ばれる理由となっていました。静かで落ち着いた雰囲気の中、最高級の食材とシェフによるライブ感あふれる調理、そして充実したワインセレクションが組み合わさることで、「鉄板焼 馨」は訪れる人々に記憶に残る特別な食体験を提供していました。多くのリピーターに支持され、西麻布において知る人ぞ知る隠れ家的な存在として、接待や記念日、大切な人との会食に利用されていました。