東京都中央区銀座のギンザコアビル9階に位置していた「銀座 大志満(おおしま)」は、石川県の山中温泉で江戸時代より続く老舗旅館を前身とする加賀料理の専門店でした。銀座四丁目交差点近くという利便性の高い場所にあり、東京メトロ銀座駅からは地下道で直結しており、雨の日でも濡れることなくアクセス可能でした。銀座駅のA3・A4出口からは徒歩約1分、C2出口からも徒歩約1分と至近でした。また、東京メトロ日比谷線 東銀座駅からも徒歩約4分、東京メトロ有楽町駅やJR有楽町駅からも徒歩圏内にあり、銀座コアビルには駐車場も完備されていました。
店内は、天然の木や輪島塗、土壁といった和の伝統的な要素を取り入れつつ、モダンに昇華させた落ち着いた空間が広がっていました。ゆったりと食事ができるテーブル席に加え、料理人の手捌きを眺められるカウンター席、そして多様なニーズに対応する個室が設けられていました。個室は2名用から20名以上の大人数まで利用でき、接待や家族での会食、特別な日の食事など、幅広いシーンで活躍しました。一部のテーブル席は、低めの仕切りで区切られており、半個室のような感覚で利用できる配慮もなされていました。総席数は141席または160席と、銀座の店舗としては比較的規模が大きいことも特徴の一つです。
提供される料理は、京懐石の流れを汲みながらも、加賀の豊かな自然が育んだ旬の食材を活かした独自の加賀料理でした。特に、加賀料理を代表する郷土料理である「治部椀(じぶわん)」は、「銀座 大志満」の名物として知られ、多くの利用者に親しまれていました。ランチタイムには手軽な幕の内弁当「加賀」や、治部椀を含む「加賀御膳」として千成や百成といったコースが用意されており、3,000円台から加賀料理のエッセンスを味わうことができました。ディナータイムには本格的な懐石コースが中心で、予算は8,000円から10,000円以上が目安となっており、季節ごとの旬の味覚を堪能できる月替わりのコースも提供されていました。メニュー料金には別途サービス料10%が加算されるシステムでした。ドリンクメニューには、料理との相性を考えて厳選された日本酒や焼酎、ワインなどが揃えられていました。
サービス面では、きめ細やかな配慮が行き届いていました。アレルギーを持つ顧客への対応も可能であり、小さな子供連れの利用も受け入れていましたが、未就学の子供については個室利用をお願いするなど、利用客層に合わせた案内がされていました。PayPayでの支払いにも対応していました。エントランスエリアには広々としたレセプションとウェイティングスペースがあり、待ち合わせなどにも利用しやすい空間でした。
昭和58年11月の開業以来、約40年にわたり銀座の地で愛されてきた「銀座 大志満」でしたが、ギンザコアビルの建て替えに伴い、2023年12月24日をもって閉店いたしました。多くの人々に加賀料理の魅力を伝え、様々なシーンで利用された記憶に残る日本料理店でした。