東京都港区西麻布に位置していた「中国茶房8 六本木本店」は、日比谷線六本木駅C1出口から徒歩約3分、都営大江戸線六本木駅からも徒歩圏内の六本木ヒルズけやき坂前にありました。多くの方に親しまれていましたが、残念ながら再開発計画に伴い、2023年11月12日をもって閉店いたしました。
かつて24時間営業で賑わいを見せていた店内は非常に広く、活気にあふれた空間でした。個性的なオブジェが配された内装は印象的で、その独特の雰囲気は多くの利用者の記憶に残っています。ランチタイムから深夜にかけて、様々なシーンで利用されていました。
メニューは豊富な種類の中華料理が魅力でした。特に名物として知られていたのが北京ダックと手作りの水餃子です。北京ダックは一羽丸ごとオーダーすることができ、テーブルの傍らで切り分けサービスが行われることもあり、目でも楽しませてくれました。皮だけでなく肉付きで提供され、残ったお肉を炒め物やスープにすることも可能でした。水餃子もリーズナブルな価格で提供されており、店の自慢の一品でした。
価格帯は全体的に非常に手頃で、特にランチは驚くほどリーズナブルでした。平日ランチは500円台から提供されており、六本木という土地柄を考えると破格と言えるでしょう。ランチメニューにはご飯、スープ、サラダ、ザーサイ、デザート(杏仁豆腐など)、ドリンク(ウーロン茶、コーヒーなど)が含まれており、これらは多くの場合おかわり自由、または食べ放題・飲み放題となっており、非常に高いコストパフォーマンスを誇っていました。夜の時間帯も、豊富なメニューを気軽に楽しめる価格設定でした。
広々とした店内には多数の座席が設けられており、オープンな雰囲気が特徴でした。個室があったかについては情報が分かれており、オープンな空間であったという記述も見られますが、多目的な利用に対応できる柔軟な席配置であったと考えられます。特別なサービスとして広く告知されていたものは少ないようですが、北京ダックの切り分けサービスなど、料理提供のパフォーマンスは多くの人に喜ばれていました。かつては中国語の勉強会のようなイベントも開催されていた時期もあったようです。
「中国茶房8 六本木本店」は、その立地、24時間営業という利便性、手頃な価格で提供される本格的な中華料理、そして独特の雰囲気で、六本木の街を行き交う様々な人々の胃袋と心を満たしてきた存在でした。閉店を惜しむ声も多く聞かれ、六本木における親しみやすい中華レストランとして、多くの人々の記憶に残っています。