東京都世田谷区北沢に位置していた「大庄水産 下北沢東口店」は、小田急線および京王井の頭線の下北沢駅からほど近く、特に東口からは徒歩わずか1分から2分程度というアクセス抜群の立地が特徴でした。ヤングしもきたビルの1階および2階に店舗を構え、多くの人々に親しまれていました。
活気あふれる漁師町の「番屋」のような雰囲気をコンセプトにした海鮮居酒屋として知られ、全国の漁港から直送される鮮度抜群の魚介類を存分に味わえるのが最大の魅力でした。店内には生け簀が設置されており、活きの良い魚介を見ることができました。
この店舗の看板メニューの一つは「浜焼き」で、テーブルに設置されたコンロで、アワビやサザエ、ホタテ、ホンビノス貝、カキなどの新鮮な貝類や、エビ、イカといった魚介を自ら焼いて楽しむスタイルが人気でした。磯の香ばしい香りが食欲をそそり、素材本来の旨味をシンプルながらも奥深く堪能できると評判でした。また、エイヒレ焼きや蟹味噌甲羅焼きなども浜焼きメニューとして提供されていました。
刺身にも力が入れられており、その時期旬を迎える様々な魚介を取り入れた刺身の盛り合わせは、八点盛り、十点盛り、十二点盛りといった種類があり、彩り豊かで新鮮な魚の美味しさを堪能できました。マグロの中トロや大トロ、タコ、ホッキ貝、アワビなどの単品刺身もあり、好みに合わせて選ぶことができました。特に「ぶっかけこぼれ盛り」は見た目のインパクトもあり、おすすめの一品として挙げられていました。
浜焼きや刺身以外にも、豊富な海鮮料理がメニューに並んでいました。例えば、魚の煮付けや焼き魚として、キンキの煮付けやサンマの塩焼き、カマスの塩焼きなどが提供され、魚介の旨味を活かした調理法で提供されていました。その他、タコ唐揚げやメゴチ天、キス天、エビ天といった揚げ物、出汁巻き玉子、茶碗蒸し、各種サラダ、漬物、枝豆、冷奴など、居酒屋定番の一品料理も充実していました。ランチタイムには、手頃な価格で楽しめる海鮮丼や刺身定食などが提供されており、昼間から新鮮な海の幸を求めて訪れる人も多くいました。お酒類もビールや日本酒、焼酎、サワーなどが豊富に揃っており、新鮮な魚介との相性を考えられた品揃えとなっていました。特に日本酒は地酒も用意されていました。
席に関しては、活気のあるテーブル席が中心でしたが、一部には個室も用意されていたという情報も見られます。カウンター席もあったため、一人でも気軽に立ち寄れる雰囲気でした。グループでの宴会はもちろん、友人や家族との食事、仕事帰りの一杯など、様々なシーンで利用しやすい店舗でした。
しかしながら、「大庄水産 下北沢東口店」は、入居していたビルの建て替えに伴い、2023年12月31日をもって閉店いたしました。長年にわたり下北沢の東口エリアで新鮮な魚介を提供し、賑わいを創出してきましたが、その歴史に幕を下ろしました。